『おいしいごはんが食べられますように』

  高瀬隼子



題名や表紙の絵からは想像できない小説。

人間の心の奥の奥を描いた作品。


タテマエって言葉がある。

コミュニケーションって言葉がある。

外面って言葉がある。

ずる賢いって言葉がある。


これらの言葉たちって、使い方はそれぞれだけど、同じシチュエーションでこれらの言葉でそのシチュエーションを表現できる。


例えば、この本の中にもでてくる場面、

偏頭痛で早退する人、

その偏頭痛で早退した人の分まで残業する人、

偏頭痛した人は体が弱いからかわいそうという人、

そんな状況をただ観察する人。


そんな普段の生活のあるあるを、読者の私にも、

「あなたはどう思う?偏頭痛で早退した同僚を、ずる賢いって思う?かわいそうって思う?」

って聞かれてるような、そんな感じがした。


この本の登場人物の誰に共感するかは、読んでからのお楽しみ。