三日月🌙 part3

 

離婚して一人になって18 日経った。

一年ほど前に、妻に離婚話を突きつけられた。

いや、正確には元妻に。

 

理由を聞けば、今の生活は結婚してる意味がないと言う。

もっと詳しく聞けば、

俺の帰りが遅いだの、

休みの日も家で仕事で一緒に過ごす時間がないだの、

家事を何もしない

(いや、ゴミ出しはやっている、いや、

やっていた。)

だの、

妻は、正確には元妻は、

ここぞとばかりにダメ出しをしてくる。

 

それをいうなら、結婚前に、

「忙しいあなたを支えたい。仕事人間の男性って、カッコいいよね!」

って言ってたあれはなんだったのか。

でも、妻には、正確には元妻にはそれは言わなかった。

いちお、これが男のプライドってやつだ。

 

 

女はわからない。

 

まず、俺が仕事が忙しいことが離婚の理由になるのか?

ケンカになったとしても、それで離婚はないだろ?

結婚生活って、今までの自分を捨てなきゃいけないのか?

仕事中心の生活を妻中心の生活に変えないといけないのか?

 

子供はいらない、夫婦二人で楽しもうね、

と言ったのは妻の方、いや、元妻のほうだった。

 

 

女はわからない。

 

休みの今日はスーパーに行った。

外食続きだと脂っこい食事が続く。

たまには、さっぱりしたものが食べたい。

 

スーパーに入ったら、

まずは値切りシールが貼ってあった刺身をカゴにいれ、

惣菜コーナーに行きポテサラを手にとった。

結局、好きなものは子供の時から変わらない、ポテサラは子供のときからの好物だ。

あとは、ビールを2本いれて、今日の買い物は終了。

 

誰もいない明かりがついていない自宅に帰り、手を洗い、スーパーで買ってきたものをそのまま並べる。

冷蔵庫に豆腐があったから、豆腐にチューブの生姜と鰹節をのせ醤油をかけたら、一品完成。

今日の晩御飯は、刺身とポテサラと冷奴とビール。

一人暮らしの男の食卓にしては悪くない。

 

ビールを一口飲み、ふと窓の外を眺める。

まだ、カーテンをしてなかったことに気づく。

ここに住み始めて18日が経っていた。

 

空には三日月が浮かんでいた。

ここ数年、月を眺める余裕もなかった。

たまには、月を眺めながらのビールもいい、

そんなことを思いながら、刺身を一口いれ、ビールを流し込んだ。