三日月🌙


仕事で失敗した。

なんで、あんな失敗したんだろ?

悔やんでも悔やみきれない。


帰り道、パン屋さんでクッキーを買った。

いつもはここのパン屋さんでは、パンしか買ったことなかった。

だって、ここのクッキーはスーパーにあるものより少しお高めだから。

でも、今日は自分にご褒美あげたかった。

たまには、贅沢しないと、こんな夜は乗り切れない。


家に帰って封を開けたら、箱の中のクッキーがほとんど割れていた。

割れていたというより、粉々だった。

一瞬にして、悲しくなった。

こんなとき、お店の人は不良品として交換してくれるものなのだろうか。

帰り道、クッキーの箱を落としたわけじゃない。。。

粉々のクッキーだから10%offだったの?

いや、賞味期限が近いからって、お店のポップには書いてあった。

でも、今さら、お店に戻って交換してもらう勇気も元気もなかった。

それに、一口食べちゃったし。


仕方なく、粉々のクッキーをスプーンですくって食べた。

粉々のクッキーは、舌に味が染み込み深みを感じた。

粉々のクッキーは、あったかい珈琲とよく合った。

粉々のクッキーは美味しかった。


空には三日月が浮かんでいた。

満月ではない欠けた月が笑っていた。