糖尿病腎症だけでなく
腎臓が悪くなる病気は 他にも 慢性腎炎とかあります。
治療法は、 現疾患の治療と ともに
降圧(血圧を下げること) と 蛋白制限と 言われています。
医者も、 それを信じて せっせと 降圧剤を処方して、 当たり前のように 蛋白40~60g/day程度の蛋白制限の指示を出して 管理栄養士に丸投げします。
降圧剤は私も大賛成です。
ここで 蛋白制限が意味があるか どうか考えてみましょう。
まず エビデンスがあるかどうか。
大規模なrandomized control trialは MDRD study位でしょうか?
http://www.novartis.co.jp/ebm/navigator/21MDRD.html
低蛋白食群は1.3g/kg体重/日を超低蛋白食群は0.58g/kg体重/日の蛋白制限食の摂取を行わせた。
体重 60kgなら
低蛋白群は 78g/day 超低蛋白群は 35g ですね。
日本での指示と同程度ですね
結果は、差がなかったということで
アメリカでは 腎不全に 積極的に蛋白制限を言う病院は少ないのではないでしょうか?
じゃあ 蛋白制限は 無駄かどうか?
私は 無駄ではないですが 蛋白制限は多くの患者に実現困難と考えています。
上のtrialでも、薬を飲むか飲まないかの2択なら 簡単ですが、 蛋白摂取指示となるとその遵守性が問題となりますね。
特に糖尿病性腎症 なんて、それまで、結構むちゃくちゃしてきた方が少なくはないので
それにいきなり 蛋白40g 以下の食事しろなんて言われても遵守率は低くなりそうなのが容易に想像できます。
私もできません。
まず 一日蛋白摂取量を40g以下にするには、糖質制限よりはるかに困難な食事療法を強いられます。
まず ご飯はダメです。ごはんは糖質も多いですが蛋白多いので。すべて ゆめごはん に変えないといけません。
- ゆめごはん1/35トレー 小盛/キッセイ薬品工業
- ¥価格不明
- Amazon.co.jp
お金もかかりますね。
肉も 魚も 豆腐も ちくわも ソーセージも 卵も納豆も 極少量です。
パンとご飯と麺類と芋類をやめる程度でいい糖質制限より大変です。
炭水化物と油で 生きていかないといけません
カリウムが上昇してくると、生野菜とフルーツにも制限が入ります。
そこまでしても、腎不全を防止するエビデンスがないので、やる気も失せますね。
しかし 私は 超超蛋白制限をすれば、腎不全は予防できると考えています。
それは 1日20~30gの蛋白に制限することだと思います。塩分5g位で。
確か 日本のどこかの 腎臓専門病院が やってると思います。
1日20g の蛋白制限。 すれば予防できると思いますが
多くの人は できないので、もう蛋白制限なんて諦めて、透析導入の準備をしておくって事のほうがいいかもしれません。
日本の多くの病院で紹介されているような 40~60gのなんちゃって蛋白制限では
実際は それより少し甘くなっちゃう事も多く、あまり 制限しても意味ないかなぁ~
と考えています。
もし やるなら 決意して 徹底的に気合い入れてやりましょう。
なんちゃって糖質制限は 肥満 糖尿病に そこそこ有効ですが
なんちゃって 蛋白制限は 腎機能障害悪化の予防に対して あまり効果的でないと考えています。
実際に長く、蛋白制限している患者さん沢山みての感想です。
なんちゃって蛋白制限では腎機能低下 止められません。
trial試験でも そんな結果になっています。
=====================
私への質問はコメントに書いてください。
コメントはすべて公開しています。
可能な時はコメント返します。
私への直接メール多数いただいていますが
すべてスルーしています。ご了承ください。
====================
もりぞの内科 年中無休
(12/31 1/1 1/2除く)
糖尿病診療
院長 森園 茂明
福岡県北九州市八幡西区上上津役2-14-17
電話:O93-611-5335