GX(グリーン・トランスフォーメーション)で日本壊滅。中国だけが得する驚愕の中身とは? | 幸福実現党 森よしひろのブログ

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「GX(グリーン・トランスフォーメーション)で日本壊滅。中国だけが得する驚愕の中身とは?」

 

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幸福実現党党首 釈量子


◆GXとは何か
今回は、現在、政府が進めるGX(グリーン・トランスフォーメーション)戦略について考えて参ります。

7月27日、政府は岸田総理を議長とする「GX実行会議」の初会合を開き、GX実行推進担当大臣として、萩生田光一経済産業相を担当大臣に任命する人事も発表されました。

「GX」とは、2020年10月の臨時国会で「脱炭素社会の実現を目指す」と宣言して以降、市場で注目を集めるようになった言葉です。

2050年までの脱炭素、カーボンニュートラルの実現に向けて、温室効果ガスの排出につながる化石燃料などの使用を、再生可能エネルギーなどに転換することで、社会の変革を目指すと理解されています。

世界が脱炭素に向かう流れは避けられないと考え、政府や経団連は、CO2を減らすことを成長の機会ととらえて、官民連携で成長戦略の柱にしようとしています。

このGXは、岸田政権が目指す「新しい資本主義」の目玉政策にもなっています。

しかし、脱炭素には莫大なコストがかかります。政府が言うように産業構造を根底から作り変えれば、自動車はじめ製造業の方々は失業するのではないかと戦々恐々としています。

基幹産業を潰し、新たな雇用を生み出すことができるのかは切実な問題です。

◆増税につながるGX
岸田政権は、GXの実現には、今後10年間で官民合わせて150兆円規模の投資が必要としています。これはGDPの3分の1弱くらいですので、かなり大規模になります。

政府は20兆円の資金を財源に、「GX経済移行債」、いわゆる「GX国債」を発行するとしています。

日本には既に1200兆円を超える政府の借金があるのに、さらに新しい国債を発行しようとしているわけです。

GX実行会議のメンバーの一人、経済学者・伊藤元重東大名誉教授は、民間企業の投資を引き出す「呼び水」として、「GX国債を発行した分は増税などで償還する仕組みをつくる」と述べています。

民間投資を引き出す「呼び水」というのは、官民連携の際に公的支出を正当化する、いわば政府の「決まり文句」です。

脱炭素が本当に経済成長につながるなら、公的支出などなくても、民間企業は勝手に投資してどんどん脱炭素が進むはずです。

しかし、おそらく脱炭素に130兆円もの民間投資を引き出すことは不可能で、「GX国債」を追加で発行して、政府債務がさらに膨らむことになりかねません。

当然、債務を返していくために、「GX実行会議」でも、いわゆる「大型炭素税」の導入も議論に上がっていました。

炭素税というのは、その名の通り、石炭・石油・天然ガス等の化石燃料にCO2の含有量に応じて払わされる税金です。

現在でも、「炭素税」に当たる税金は存在します。化石燃料に石油石炭税が課税されており、その中に炭素税に当たる「地球温暖化対策のための税」、いわゆる「温対税」が平成24年10月1日から導入されています。

1トンのCO2あたり289円、税収約2,600億円の規模です。このほかに、自動車の燃料には揮発油税が課税されています。課税規模は約2.1兆円です。

こうした「炭素税」に加え、化石燃料などに対する税金がさらに上積みになることになります。

このように課税が増えていけば、電気料金の高騰はもちろんのこと、鉄鋼、セメント、石油化学、自動車など、日本の製造業の全てにそのコストが重くのしかかり、日本の製造業を直撃します。

政府は「GX国債」を呼び水にして、経済成長を期待しているようですが、こんなに高コストでは日本の製造業は海外に移転してしまい雇用も失われ、日本経済は崩壊してしまいます。

インフレで生活必需品等、物価が高騰し、さらに生活がより厳しくなるのは避けられません。

 

◆GXは壮大なムダ
そもそも、政府が思い描いているような、官民合わせて150兆円の「GX投資」が行われたとしても、企業、あるいは国にとっては経済成長につながるどころか、マイナスの方が大きいことは間違いありません。

「グリーン」関連だけは一部儲かるところもあるかもしれませんが、全体的に見れば、企業の利益が増えるわけでもなければ、国の成長につながるわけでもありません。

むしろ、成長を大きく阻害する要因に他なりません。

企業にとっては、確かに、「GXに向けて動いている」あるいは、「環境を意識した投資、いわゆる『ESG投資』の『E』に配慮している」と言えば、今の日本なら、企業イメージの向上につながって、一時的に株価が吊り上がることもあるかもしれません。

しかし、実体のある「富」を生み出さなければ、株価もいずれは下がります。

むしろウクライナ危機以降、欧米金融機関では、ESG投資の見直しを始めており、安全保障を重視して化石燃料の価値を再評価しています。

現在、最も株価が上昇しているのは石油や天然ガスなどの銘柄です。

そもそも、「炭素税」を提唱した米国の経済学者W・ノードハウスは、排出量を実質ゼロにするために必要となるコストは全世界で50兆ドル以上となり、(排出量を実質ゼロにせず)地球の平均気温が3度上昇した時の経済損失の10倍以上になるとしています。

つまり、お金をかけてCO2排出を抑えたところで、経済的な意味は全くないのです。

グリーン投資は全く割に合わないグリーン投資を非効率な投資を、政府が主導することは、まさに「政府の失敗」です。

投資の是非は民間が自由に判断し、政府は脱炭素政策を撤廃して、こんな無駄なお金を使うことをやめ、もっと政府が「減量」しなければなりません。

◆中国だけが得するGX
さらに、GX戦略で想定している脱炭素実現に向けた「10年間で150兆円の投資」を見ると、かなりの資金が中国に流出する点にも言及しなければなりません。

現在、太陽光パネルの中でも最も安価であり、大量に普及しているのが「多結晶シリコン方式」です。

この心臓部にあたる多結晶シリコンの8割が中国製であり、さらにその半分が新疆ウイグル自治区で生産されているのです。全世界で見れば、同シリコンのウイグル産のシェアは約45%と推計されています。

電源の脱炭素化のうち「原子力」だけはサプライチェーンのほとんどが国内にあり、再稼働をするだけで国内の産業に莫大なお金が回り始め、海外からの燃料の輸入を削減できます。

その意味では、最も費用対効果の大きな経済政策は、原発再稼働と言えます。

しかし、太陽光や風力では、中国製品の輸入が進むだけであり、日本の産業にはほとんどお金が回りません。

こうして中国企業の太陽光や風力が国内で増えていき、中国製品が多く接続されることは、サイバー攻撃に対して弱い体制をつくることにもなり、経済安全保障上の重大な問題が懸念されます。

◆GX で日本壊滅
このように見ましても、温暖化が仮に真実だとしても、グリーン投資やGX戦略は無駄だということがおわかり頂けたかと存じます。

そもそも、CO2により温暖化が進んでいるとする説は、科学的根拠がなく、フェイクとも考えられています。

「気候危機」を叫ぶ環境活動家のグレタ・トゥーンベリ氏が広告塔となって、世界は「脱炭素」一色に染まりました。

「我先に」とグリーン投資の拡大がブームとなっていますが、儲かるのは中国と関連するグローバル金融機関だけであり、日本とそのほかの西側先進諸国は、没落の道に歩むことになります。

そして特に、物価高の今、行うべきは、脱炭素ではなく、原発再稼働に他なりません。

しかし、ウクライナ危機以降、欧米先進国の議論もかなり変わり始めていて、「脱炭素」の看板は下ろせないものの、脱炭素一辺倒から安全保障重視に変わりつつあります。

また、投資家もグリーンだけでは儲けられなくなり、化石燃料株が見直されています。いまこのタイミングで「グリーン」に固執する日本の政府は、かなりの周回遅れとも言えます。

日本が奈落の底に落ちる前に、今こそ、軌道修正を図るべきではないでしょうか。