病気再発
病気が再発してしまいました。
この5日間で『耳をすませば』を3回観てしまった。
過去に何十回と観たにも関わらず、である。
マ…マズイぜ…4回目に入りそうだ…。。
雫の妄想ガールから現実ガールへの変化と成長が良いんです。
聖司の影の努力とその成長も良いんです。
捨石の杉村も良いんです。杉村がいたから雫と聖司は上手くいったんです。
雫はこれまでにきっと恋愛経験がないのでしょう。
でも物語ではたくさんの恋愛を知っているのでしょう。
夕子の恋愛事情も雫にとっては物語と同じ感覚。偶然気が付いた図書カードの『天沢聖司』の名前も同じに近い。
雫自信はまだ、いわゆる舞台に上がっていないわけです。
聖司は雫に対して真っ直ぐに攻められません。
図書カードに名前を書いて名前を覚えてもらおうとします。ファンタジー系を攻めれば打率は上がるものの、時間と労力が掛かるのに上手くいくか分からない作戦です。
『図書館で何度も擦れ違った』、『隣の席に座った』 際に、あわよくば知り合えた可能性もありますがね。
その時点で天沢聖司に気付いていたので順番は前後しますが、『さて、どうしてでしょう』 で図書カードに意識を向けさせることができたかもしれませんね。
学校で雫の借りた本を読んでいたのは偶然?忘れたお弁当を届けたのも偶然?まぁそこは突っ込まないでおきましょう。
『コンクリートロードはやめたほうが』、『弁当随分デカイのな』 等、嫌味っぽく話しかけるのは『キライ⇔スキ』の法則の為の作戦という見方がありますが、嫌味っぽくじゃないと照れて話しかけられなかったんだと思います。
地球屋の前でムーンを共通の話題として話す際も『へぇ、月島かぁ』とチョット引っ掛かる言い方で入ります。
『ムーンがお前と?全然似てないよっ!』 コレは本心。思わず言ってしまってテレテレw
その後の会話でも所々に嫌味というかチョット引っ掛かるというか、少し自分を良く見せようとしているのかそんな言い回しをします。
でも、ムーン然り、バロン然り、バイオリン然り、振り返ればコンクリートロード然り、お弁当然り、全て雫と聖司の間に何かが入ってそれを対象として会話をしている訳です。
そのおかげで聖司は段々と普通に会話ができるようになっている気がします。
雫は雫で聖司の可愛いトゲに耐性が付いたのか、理解を示し始めたのか、実は良いヤツかもと思い始めたのか…全部だな、『そのくらいのもん、誰でも作れるよ。まだ全然ダメさ』 の後に微笑み、演奏をせがんだりと、変化していきます。
そして、バイオリンと歌のセッション、いわゆる共通体験によって二人の心は近付きます。
捨石杉村は最高の捨石でした。
好きとは伝えてはいないものの、事有る毎に積極的にコミュニケーションを図ります。聖司とは違います。まぁクラスが同じで自然と仲が良くなった面はあるのでしょうけど。
杉村がナゼ最高の捨石かというと、神社で雫へ半ば突発的に告白することで、彼女を現実世界の恋愛の舞台に引き上げたワケです。
さらには雨の登校時に雫を置いて先に行っってしまったり、雫を無視して夕子に話し掛けたり、彼女の心を揺さぶる伏線をバンバン張ってくれます。振られても本当はまだ雫のことが好きなのにね…。
夜の演奏会の後に雫は彼が天沢聖司だと知ります。
(彼女の中で)物語の中の天沢誠司がいきなり現実となって目の前に現れるワケですが、杉村によって舞台に引き上げられている雫は『空が落ちてきたみたい~』との言葉とは裏腹にしっかりと受け止められていたのではないでしょうか。
帰り道で誠司はやっと自分のことについて話します。夢のこと、家族のこと。
そして今の彼にできる最大限の褒め言葉として『コンクリートロードのほうも好きだぜ…』と言えました。やったね聖司君。
ちなみにここから先、二人は二人以外のことは一切話しません。たぶん。
さて、伝説の屋上へと場面は変わります。
『悪い、1番先に雫に教えたかったんだ』
おい聖司どんな進歩やねん。雫グッラグラやん。
まぁこれは天然というか、誠実に回答したということで。
どんどん夢に向かって進んでいく誠司に対して、雫は置いてけぼり感を強めていきますが、『一番最初に
雫に』のセリフのおかげで『聖司くんと同じ高校へ行けたらいいな・・・なんて』のセリフが引き出されたように感じます。
そしてまた聖司も雫の言葉のおかげで、図書カード、からお前歌で頑張るからな、と精一杯遠まわしながらも告白が出来ました。
杉村が雫を舞台に引き上げ、なおかつ揺さぶってくれていたから、雫は恋愛に対して、聖司に対して誠実に真っ直ぐに答えられたのでしょう。
しかしここで、雫と聖司の心は対極になります。
聖司は正直ウッキウキでしょう。ストレートではないにせよ告白できて、かつOKを貰ったようなものですから。
でも雫は底に落ちる。聖司との遠さに。でもここから頑張ります。夕子に助けを求めますが、実際は物語を書くと自分で考え自分で決めます。元々自立していましたが聖司がよりそうさせたのでしょう。
その後の展開は言わずもがな。
雫は物語を書き遂げて、坂道では自転車を押してあげて。
誠司が雫のことを考えて想いを返してあげて。
最後は求婚→OK→大好きだっ!
お幸せに。
この作品は単なる恋愛作品ではなく、思春期の揺れる心と成長を同時に描いています。
雫と聖司はお互いと自分を見つめつつ、将来も同時に見つめており、また、二人を見守る理解ある大人たちも非常に優しく描かれています。
それらに根拠や価値を添えるのが、実にリアルで美しい絵達です。
まだ観ていない方は是非一度ご覧下さい。
もう好き過ぎて語り出したら止まりません。
さて、4回目を観るとしますかね。