with MUSICのトークの中で私が一番印象的だった場面はここ。
稲垣吾郎が語る「初出しエピソード」
何が出てくるんだろ？
と思っていたら・・・
昔、自分のことをメンバーに（ダメ出しっぽく？）言われているのを隣室で聞いていた吾郎ちゃん。
（ライブ中全然笑顔じゃない）
それに対して剛が「こういうメンバーがいてもいいんだよ！」と主張してくれたことも聞こえてきて
とても嬉しかった。今でも嬉しい。
と語る吾郎ちゃん・・・
当の剛はあまり覚えてなさげで、慎吾は「40年近く付き合ってきて今急に初出しエピソードって！」とツッコんでオチにしてたけど
ここ、めちゃくちゃジンときたんです・・・
この話が一体いつ頃のことなのか、そこは定かじゃないけど
吾郎ちゃんって昔あの事務所からデビューしたアイドルとしてはかなり異質なタイプで
元気いっぱい明るい体育会系！なキャラが主流だった中で1人文化系の香りを漂わせた少年だったよね。
のちにそれは彼の大きな武器となる個性なんだけど
昔のアイドルには「こうあるべき」という固定観念、アイドルの理想像みたいなものが強烈にあったから（アイドル側、ファンの側の両方に）
その中の一つが「アイドルはいつも笑顔でいるべき」「笑顔必須」だったのだろうし
それが出来てない、と自分のいないところで指摘されているのを聞いてしまった吾郎ちゃんの気持ちを思うとちょっと胸が痛い。
このエピソードを覚えているということは、おそらく吾郎ちゃんの中でも笑顔が少ない自分を気にしていた部分があったのかなと推察。
でもそれを
「こういうメンバーがいてもいいんだよ」と自分をまるごと肯定してくれた剛の発言・・・聞いた時はどれほど嬉しかったことでしょう。
今でも嬉しい、という吾郎ちゃんの言葉に胸がいっぱいになった
そして私の頭によぎったのは2014年に27時間テレビの中で森くんが吾郎ちゃんに宛てた手紙の一文。
SMAPを辞めて養成所に入る前日、吾郎ちゃん以外のメンバーが全員森くんの家に集まって皆でバリカンで森くんの頭を刈った、というエピソードを綴りながら
1人だけ来なかった吾郎ちゃんを
「そういうところが吾郎ちゃんらしくて、すごく好き」だと書いた森くん。
「吾郎ちゃんがいるからSMAPはSMAPでいられると思うよ。
これからも吾郎ちゃんらしくね」
とメッセージを送った森くん。
あぁ、剛も同じこと言ってたんだなぁ・・・と涙出そうです。
多様性の時代、って近年やたら言われるようになった気がするけど
思えばSMAPというグループはそんな言葉がない頃からずっと
1人1人の個性を尊重し、認め合ってきたグループなんだと今改めて思う。
「うちら最初っからバラバラ」と言ったのは木村君だし（笑）
まさに「君は君だよ」の歌詞そのもの。
＞君は君だよ だから誰かの望むように生きなくていいよ
それがメンバーに共通する理念だったからこそ、新しい世界に飛び立つ森くんの背中も押せたんだろうなぁ・・・
と考えるとホントに泣きそうになる
そして
「この長い付き合いの中で今頃初出しって！」と慎吾が言ってたけど
これもまた吾郎ちゃんならでは、だよね？
森くんの家に1人だけ来なかったことも、昔さんざん皆にいじられまくってた吾郎ちゃんだけど
（六本木で女の子と遊んでたというネタ設定）
本当はその前に「6人で焼肉を食べた日に気持ちにけじめをつけたから」その後でまた会うのはちょっと違う、と思っていたと公（an・anの連載コラム）で「行かなかった理由」を言ったのはあの手紙のあと・・・
森くん脱退から18年も経っていました。
だから、今回の初出しも森くんの言葉を借りれば
「そういうところが吾郎ちゃんらしい」
んですよね。
メンバーとの忘れられないエピソード、吾郎ちゃんの心の中にはきっと沢山あるんだと思う。
でもそれを安易にひけらかしたりしないで、大切にしまっている・・・
そんな吾郎ちゃんが私も
「すごく好き」です。
そしてその流れで
SMAPというグループ（自分達）は「距離感はあった」と言える吾郎ちゃん、素敵。
今もベタベタしない関係。
プライベートとか一切知らない。関与しない。
今のアイドルはどちらかというと、みんな「メンバー同士すごく仲がいい」ことをアピールしてる気がするから
こういう慣れ合わない関係性というのは本当に希少な存在に思える・・・
こういうことテレビで言っちゃうとね
距離感＝不仲
ってすぐマスコミは書くけどさ、そうじゃあないから。
距離感→良い緊張感 を生んで独特のオーラを放つ孤高の覇王グループになったんだから。
そう
「君は君だよ」を地で行くプロの集団なんですよ、SMAPは。
そしてこれ（距離感あった）をネタにして、今はまた違う新たな関係性を築き上げてるって言える新しい地図のトークスキルってやっぱ最強だな・・・と痺れた夜でした
