先の記事でこの半年ほどの間に観た映画や舞台の感想を書きました。
テレビドラマに関しては、やっぱり草彅剛さんが主演したNHKの「デフ・ヴォイス」が鮮烈な印象を残しました。
彼がこの作品に出ると発表された時の公式の言葉
【人生に迷う男性が唯一の技能である手話を活かし「手話通訳士」になり新たな人生のスタートを切る物語が、殺人事件をめぐるミステリーとともに繰り広げられます】
手話を使って演技をするということでこれは、つよぽんはまた俳優としての新たな扉を開くのだなぁとドキドキしたことを覚えています。
思えば剛君の演じる役というのは
極道(&介護ヘルパー)
トランスジェンダー
そして、このコーダ。
と、社会の中でのマイノリティを割り当てられることが多い気がします。
どれも難しく、演じようによっては批判される恐れもあると思うから・・・何だか役者千本ノック(言い方)を受けてるような気にすらなります。
でも、彼なら出来る、と信頼されてのオファーでありマネージメントなのだと今回のドラマを見て痛感しました。
こちらは前編が終わった段階で書かれたレビュー記事ですが、まさに私が思ったことと同じでした。
中でも【聴覚障害者を消費しないスタンス】のドラマ作りという言葉に深くうなづきました。
ろう者俳優を起用して、限りなくリアルに作られたドラマって日本では珍しい。
そして、自分も手話と真摯に向き合い、彼らと一緒にドラマを作り上げた草彅剛という俳優の素晴らしさに、深く感じ入りました。
彼にこの役を託された意味。
それはもちろん、俳優としての実力があってこそだとは思うけれど、社会の中で生きづらさを抱えている人々のことを広く世間に知ってもらう第一歩として、彼の知名度(=SMAPとしての認知度でもある)が持つ広報力にも皆が期待しているんじゃないかな・・と思いました。
実際私もコーダのことは言葉では知っていても詳しいことは何も知らなかったから、このドラマを見て気づくことはいっぱいありました。
偏見や差別、誤解をなくすのはまず知ることから始まるから。
剛君だけじゃなくて、新しい地図の3人は、そういう使命も自覚しながら俳優として活動しているのかもしれないな・・と思える、そんなドラマでした。
ドラマが放送される半年前に原作本は手に入れていましたが、読むタイミングを逃して何か月も経ってしまったので、入院する時に持って行きました。
治療の合間に読もう、と思って。
気楽な気持ちで読み始めたら、とんでもなかった。
コーダの苦悩、ろう者の苦難、などと共に殺人事件が絡んでくるミステリーも入っていたから
どんどん物語の中に引きこまれて
最後の方は涙が止まらなくなって弱った。
その時たまたま検温に来た看護師さんが私の顔みて(涙でぐしゃぐしゃ)びっくりして
「どうしました!痛みますか!?」
と、慌てたというwww
い、いえ違うんです本読んだら泣けてきて・・・って言うのがかなり恥ずかしかった。
という忘れられないエピソード付きの読書となりました(苦笑)
原作未読の方はよろしければ、ぜひ。
この本(というか主人公)はシリーズとして他にも出ているそうなので
もしかしたら、今後続編があるかも?しれないですね。