作詞家小倉めぐみさんを偲んで。
SMAPに数々の作品を提供してくださった作詞家の小倉めぐみさんが逝去されたというニュース、本当に残念です。
小倉さんは初期の頃・・・つまり6人時代のSMAPの楽曲を本当に沢山手掛けられているんですよね。
「働く人々」や「それじゃまた」等の作曲をされた岩田雅之さんのツイート↓
Masayuki Iwata 岩田雅之@Masayuki_Iwata
#小倉めぐみ さん、実際にお会いしたことはなかったですがご一緒した作品は結構あります。#SMAP 関連でも特に気に入っている曲は小倉さんの作詞によるものが多いです。今知ったけど同い年だったんですね。機会あれば雑談したかったな。素晴… https://t.co/3fvzc2Bd2M
2021年10月13日 14:42
お2人が組んだ作品、私も大好きです。
SMAPの魅力って色々あるけれど
メンバーの個性はもちろんのこと、楽曲の良さというのも大きかったと思うんです。
私は元々洋楽好きな人間だったので、音楽はどちらかと言うとメロディ優先(だって歌詞よくわかんないしww)
SMAPも最初こそ事務所の「アイドル路線」を踏襲するような曲が多かったけれど、ある時期から洋楽寄りになったっていうのかな(個人的感覚)
カッコイイ音、時代の先端を意識したような音楽にシフトしていったように思うのです。
だから洋楽に馴染んでいた私にもすごくビビビときたし
そこから歌詞にも注目すると、小倉さんが作った作品はもう、めちゃくちゃ好みのタイプでした(いい曲だな、と思うとたいてい小倉さんの歌詞だった)
女性ならではの視点もあれば、時代を鋭く切り取ったような言葉もあって、彼女の作るSMAPの世界観が私は大好きでした。
そんな作詞:小倉めぐみ のSMAP曲の数々をここで振り返ってみたいと思います。
調べたら全部で20曲以上もあるんですねぇ。
この作品たちのラインナップを見ると
まさに歌詞で6人の成長に寄り添うような・・・そんな軌跡が見てとれます。
一番最初に小倉さんが作詞を担当したSMAPの楽曲が
【正義の味方はあてにならない】 (2枚目シングル。1991年12月6日リリース)なんですね。
結構早い時期(笑)
しかもこの曲ってwww メンバー自身が「デビュー曲が1位にならなかったから、早くもコミック路線に転換した」と揶揄していた曲じゃないですか(苦笑)
コレから小倉さんとのお付き合いが始まってるって、何か凄い・・・どんな気持ちで書いた詞なんでしょう。
だいたい、冒頭からフザケている(失礼)
起立!礼!着陸! ですよ・・・着陸・・・いやそりゃ、そんなダジャレ言う生徒、確かにクラスに1人はいたけどさ(笑)それ、歌詞にする?
売れ行きもあまりよろしくなかったようで(コラ)まだまだキャラの定まってない時期の6人に合わせたような学園ソングって感じだったのかなぁ。
その後、SMAPの2枚目のアルバムにも1曲提供しているのが
【Fede Out」】 (アルバム「002」収録)
こちらはちょっと大人っぽいリズムに乗せて歌う曲(正義の味方とは真逆・笑)
振り回される愛に苦悩する男の心境を歌っている曲ですが、当時のSMAPさんにはちょっと早い?というか背伸びしてるような曲かも・・・
私は歌詞の中の
>なんでもほしがる 欲張りな爪痕(1番)
>なんでも捨ててく 我儘な手のひら(2番)
が凄い表現だな~と思ってました。この部分だけで、どんなカノジョか想像出来るから(笑)
次に小倉さんが関わった作品はアルバム「003」に3曲入っています。
【言わなきゃわからない】 (アルバム「003」収録 草彅・香取デュエット曲)
【うまくいかない】 (アルバム「003」収録 木村・香取デュエット曲)
この2曲は10代の恋愛ソング的な感じですね。
お互い好きなのに思いがうまく伝わらない・・・そんな歯がゆいもどかしい思いを伝えるような曲。ありがちっちゃー失礼ですが、当時のアイドルには必須な曲ということでしょうか。
どちらもデュエットというのが面白いです。
そして数少ないSMAPのバースデーソングの
【Happy Birthday」】 (アルバム「003」収録)
これも小倉さんの作詞なんですね。
Happy Happy Birthday~
と明るく歌うサビは、まさにお誕生日を祝うにふさわしい曲で大好きです。
初期の頃しか歌われなかったけど、毎年1回ぐらいどこかで歌ってもよかったんじゃ・・と思うぐらい好き
歌詞がとってもいいんです。 ぜひ全部読んでほしい。 →Happy Birthday ~Uta-Net
単なる「お誕生日おめでとう!幸せにね!」というお祝いソングに終わってないというか
悩んで、凹んで、自分が嫌になる日もあるだろうけど
そんな >悩みは決してムダじゃないさ と励まして
Happy Happy Birthday と繰り返しながら
>生まれてきたことを 君がかなしまないように
>出逢えてしあわせだって 伝えつづける
っていうメッセージがいいなぁ・・・と聴く度に思う。
人生色々あるよね。大変だよね。
でも、僕は君に逢えて幸せだよ。ずっとそれを伝え続けるよ。
お誕生日おめでとう。
って・・・この内容、この世界観。
後のSMAPが国民に寄り添っていく姿勢を既にこの頃から示されていたように思えて、震えます。
だから、10代の若い時じゃなくて、今の彼らにこそ歌ってもらいたいバースデーソングのような気もします。
これ聴くと必ず「私もSMAPと出逢えて幸せよぉぉぉ!」と、叫びたくなるし(笑)
あとね個人的にはこの曲を聴くと必ずセットで思い浮かぶ映像があって
93年元旦コンサートでこの曲が歌われた時の・・・森くんと中居君
Happy Happy Birthday~
と歌いながら2-2-2 のフォーメーションになるんです。
(キムゴロ)(しんつよ)そして(森中居) 組に分かれて振りがあるんだけど
そこで中居君がいきなり、森くんの後頭部をチョップ!
痛てっ!何すんの中居ちゃん!と振り向く森くん・・・
ちょっと、やめてよもう~!と笑いながら中居君につっかかる森くん(*歌の最中です)
振りに戻った森くんの背中を「ごめんごめん」と片手で拝む中居君・・・(*歌の真っ最中です)
そしてこの2人の笑顔
萌えを通り越して、のたうち回ります。毎回
この場面のこと、ここで既に何度も書いてますが(笑)何回でも書きたい。言いたい。
中居君ほんっとに、森くんのことが好きなんだね・・・って伝わってくるから
だから、【Happy Birthday】は二重の意味で大好きな曲です。
って、小倉さんの作品の話から逸れて失礼
次のアルバム「004」にもやっぱり3曲、小倉さんが作詞した曲が入っています。
【幸せになってよ】 (アルバム「004」収録)
は、兄姉の結婚を祝うお互いの弟目線の歌。微笑ましい曲。
【こんなに僕を切なくさせてるのに】 (アルバム「004」収録 木村拓哉ソロ)
は、木村君のソロ。
これ私、歴代の木村君ソロ曲の中でも3本の指に入るぐらい好きです
ロック調の曲に、綴られた詞が「喧嘩ばかりしている彼女でも俺やっぱり好きなんだよ。切ないんだよ」的な内容で
当時ちょっと不良っぽくてワイルドな空気を纏い始めた木村君に、この曲はめっちゃ合ってたと思う。
特に
>生意気な瞳で睨んだくせに
泣き出すから もう 抱きしめたくて たまらなくなる
ってとこ!ここ!
こんなフレーズを木村君に歌わせるかぁぁぁと勝手にそのシチュエーションの木村君の表情まで妄想して、ドキドキしてました
←あほ
このあたりから、小倉さん凄いな~と思ってたけど
もっと凄いな、と思ったのが
【かなしいほど青い空】 (アルバム「004」収録) です。
女の子にフラれた失恋ソングなんだけど
想定は多分、10代後半か20代初め?大学生ぐらいの恋愛かな、と想像してる。
この男子、フラれて「君なんか忘れた」と、とりあえず強がってみるけど、青い空が目に沁みるんですよ・・・ホントは忘れられなくて。
付き合ってる時は仲間内で一緒にわいわい遊んでたようなカップルだったんだろうね。
皆で一緒に海に行こうぜ、って話になった時に「別れた」って言い出せなくて・・・
でもすぐ皆にバレるだろうなぁ。他の男と一緒にいるところ、見られたりするよなぁ。
と、モヤモヤする心境が
めちゃくちゃ等身大に描かれていて、凄い!
>あいつと歩いてる君に 誰か会ってしまうさ
こんなに狭い空の下
っていう詞で
この子達のテリトリーがほぼ同じ場所(街)だということがわかるから
社会に出る前の小さなコミニュティの中で繰り広げられる恋愛模様なんだと想像出来ます。
本当は「空」って果てしなく広いのに、「狭い空」というフレーズでそれを示唆する小倉さんの感性が好きだなぁ。
そして何が凄いって、この曲めちゃめちゃ明るいんですよね。
アップテンポで、軽快なメロディーライン。
その昔、作詞家の秋元康さんがスマスマに出た時に「今の音楽はほとんど(9割?)がメロ先」
だと言ってました。
つまり曲が最初に出来上がって、後からそれに詞を付けるスタイルが多いと。
その論理でいくと、この作品も先に曲があって、そこに詞を乗せる形だったのかな?と想像すると
よくこんな明るい曲を失恋ソングにしたなぁ・・とそのチャレンジに感心する(笑)
小倉さん1人で決めたというよりマネージメントやレコード会社のスタッフとの協議で曲の方向性が決まっていたのかもしれませんが
どちらにしろ、この底抜けに明るい曲にこういう世界観を持たせたのが凄い。
本当に悲しい時は明るく振る舞ってしまうものかも・・・ピエロのように。という連想までしてしまう曲です。
「SEXY SIX」のコンサートDVDの中でもこの曲が歌われていますが、ライブで観ると(ダンスもカッコよくて)より素敵な楽曲で、これも大好きな曲です。*ライブでこの曲から「さよならのサマーレイン」に繋がる流れが最高
長くなるので、つづきます。
超個人的な語りですが(いつもです) お暇な方はよかったらしばらくお付き合いくださいませ
*小倉めぐみさんが参加したSMAPのアルバムやシングルのジャケットをコラージュしてみました。