今日はちょっと懐かしい?本のご紹介をします。

 

2008年7月に出版された「SMAPクロニクル」(篠原沙里・著)という本です。

 

 

先日、ある方からコメントをいただきました。

 

今までに私のブログの中で、時々「SMAPクロニクル」という本の引用が出ていたけれど、実際その本を読んだことがなかった。

でも、最近書店でこの本を手に入れる機会があり、開いてみたら私の名前が出ていて驚いた、と。

「あれはよこっちょさんですか?」とご質問がありました。

はい、私ですよにこ

と返答させていただきましたが・・・

 

そうか、この本が発売された頃、私はまだブログを始めていなかったので

 

本自体のことは書いても、実はそこに私も参加させてもらっていた、ということはきちんと書いていなかったなぁ・・・と気づいたので

ちょっと、本のご紹介と、そこに私が参加させていただいた経緯を書かせていただこうかな、と思います。

 

すでにこの本を読まれた方には、何を今更・・・かもしれませんが、しばしお付き合いいただけると嬉しいです。

 

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まず、この本が出版された出版社(作品社)のHPから、当時のレビューを引用いたします。

 

【スマップ結成20周年記念! 
いまや全国民的アイドルグループとなったSMAPは、2008年、結成20周年を迎えた。中居正広、木村拓哉、稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾は、少年から大人になった。
森且行の脱退があり、木村くんの結婚があり、稲垣くんの逮捕騒ぎあり……。本書は、スマップ20年の活躍・出来事・人生、知られざる素顔を、テレビ関係者の証言をも盛り込みながら初めて網羅した、ファン必携のスマップの全軌跡(クロニクル)です。  

~以下省略~

【本書を読まれる前に――篠原沙里より】
1988年4月にSMAPが結成されて20年が経った。生まれた赤ん坊が成人式を迎えるほどの時間を、彼ら、そして私たちは、「SMAP」というグループ名とともに生きてきた。


~中略~

SMAPに心惹かれたとき、ファンが必ず行なうことがある。
過去のSMAPについて調べたり語ったりすることだ。時には、自分の過去とからめて「私だけのSMAPクロニクル」を作ってしまうこともある。
クロニクル(歴史)を語りたいという欲望をファンの心に引き起こすグループとしては、SMAPはまさに「No.1」である。グループ内部の5人(6人)の関係性の物語が、われわれから言葉を引き出し続けているからである。


~中略~

われわれは各自のSMAPクロニクルをつむいでいくだろう。だから、この本を手にとってくださった方の数だけ「SMAPクロニクル」は書かれうる……。】


というものです。


この本は2005年から心理学の専門誌「プシコ」という雑誌に連載されていたものをベースにしてあります。

SMAPファンであり、心理学(精神分析)の専門家でもある篠原さんが書いた本なので
ちょっと、時には難解で
「???」と思うような部分もあるんですが(勉強不足なもので・・・)
でも、私はこの本が単行本になって発売されるのを心待ちにしておりました。

実は、「プシコ」に連載されていた当時に、リアルタイムで
「森且行『SMAP×SMAP』最後の出演」という章を読んで
もう、涙・涙・涙
大号泣してしまった思い出が、私にはありました。

森くんの最後のスマスマでのメンバーの様子とか
脱退後にも森くんのことを口にするメンバーのことなんかが書かれていて
まさに「私が6スマを好きな理由はこれなのよ!!」と言いたくなるような、そんな感動の連続だったんです・・・

中でも、よくぞ言ってくれた!!!
と、思った文章があって・・・

森くんが引退からレーサーデビューまでのことはドキュメント「爆音に焦がれて」(これ、私のバイブルのような本)に詳しく残されている、と説明してあって

『これを読めば、森が一つのことにいかに集中し、どのように鍛錬に励んだかが伝わってくる』と嬉しいことを書いてくれてます。

そしてその後、こう言ってくれてます。


「SMAPという職業についていたときも、きっと同じ熱意と誠実さを持って励んでいたにちがいない」


もうね・・・泣きました。
この一文に。

当時(2006年頃)は、森くんがオートレーサーに転身したのは
「イヤでSMAPを辞めた」と、なんとなく世間に思われている節がありました。
森くん自身も、辞めて(レーサーになって)からスポーツ紙のインタビューに
「昔の仕事は好きじゃなかった」なんて発言もしたこともあったので

誤解を招いていたのかもしれませんが・・・

 

メディアは徹底的に森くんの映像を隠し

 

メンバーが森くんのことを発言しても、一切カットされていた頃です。

(振り返れば、今とは隔世の感がありますね・・・)

森くんが、どれほどの決意と覚悟でSMAPを去ったのか

そして、メンバーがどんな思いで彼を送りだしたのか

それらのことは、96年当時に、リアルに彼らを見ていた人にしかわからないことでした。

それ以降にファンになった人には、森くん脱退のことは単なる「事象」としか伝わらない・・・

6人の心の葛藤など、何も表に出てこない、そういう時期だったのです。

 

だから、森くんはSMAPにいる時は、本当はやる気なかったんだ。
あんまり目立たなくて、影薄かったもんね。
世間一般だけではなく、5人になってからのスマファンの人にさえ、そう思われてる空気を感じていました。 (実際、そんな感想をスマファンのサイトで目にして悲しくなったこともありました・・・)

そんな声に対して、私はずっと心の中で
「ちがう。ちがう。ちがう!」と叫んでいました。

そんなことない。
森くんがおざなりにSMAPの活動をしていたのなら、私、こんなに彼に惚れてない。
どれだけ彼が一生懸命だったか、当時のことを知りもしないで勝手なこと言わないで!
って・・・

森くんだけでなく、まだスマファンでいるがゆえに自分の耳に入ってくる、心ないそんな声に、私はずっと反論したかった。
そうじゃないんだよ、って。
彼がSMAPをどれだけ大切にし、そこからどんな思いで去ったのか、どうか誰かちゃんと伝えてほしい・・・

 

 

まだ自分で何かを発信する術も勇気もなかった頃の私にとって

 

その思いはただ自分の心の中に抱えているだけでした。
 

そして、「プシコ」の中で、私のその思いをまるで代弁するような、篠原さんの文章と巡りあったのです。

「森くんは、SMAPでいた時も一生懸命だったのだ」と。


嬉しかったです。
彼の、名誉のために、本当に、本当に嬉しかった・・・

森くんの真実なんて、全然報道されなかった頃
映像隠しもされてるから、それこそ昔を知らない新しいファンにとっては、森くんは「単なる辞めた過去の人」としか認識されない。
それが本当に悔しくて悲しかったから
こうやって、ちゃんと活字で、当時のことを振り返り、記録し
そして、森くんのことを正当に評価してくれた、ということが
何よりも嬉しかったんです。

あの文章で、長い間胸の中に抱えていたわだかまりが、少しとれたような気になれました・・・

(でも、全部ではなかったんですよね・・・全部とれたのは、実は昨年の「プロフェッショナル」を見て、です。かれこれ、5年後ってことですが。その話は、また別の機会に)


篠原さん、素敵な文章を本当にありがとう。

心からそう思いました。


そして、この連載が単行本になると知ったのはその後です。


本当はこの本、「CDデビュー15周年」(2006年)にあわせて発売される予定だったのですね。

これ以前の篠原さんの著書に「スマップウォッチング」というものがあって

その中に、ファンの声を集めて掲載された文章が載っているページがありました。

今回の「SMAPクロニクル」も、それに習って、同じようにファンの声を集めようという企画が立ち上がり

彼女のHPに「単行本化にあたって、ファンの声を一緒に掲載します」

という、本の告知と、コメントの募集がされていた時期があったのです。

最初の募集には、字数制限があり、テーマも決まっていたように記憶しています。
「あなたが『あの日あの時』SMAPから受けた影響について」

日付も、何月何日まで正確に記載する旨が条件でした。

それって、かなり大変なテーマですよね(苦笑)

何月何日に、SMAPからこんな影響を受けました、ってハッキリ表明できる人ってどれぐらいいるでしょうか?

でも、「尊敬する篠原さんの本に、自分が参加できるものなら、絶対したい!」と思い
頑張って頭ひねってコメント考えて、応募しました。
でも、テーマと字数制限のおかげで、思ってることの半分も上手く書けませんでしたねぇ・・・
いやいや、これは参加することに、意義がある、と自分に言い聞かせましたけども(苦笑)

どうか、私の書いたコメントが採用されますように・・・と祈るような日々をしばらく過ごしました。


ですが・・・

なぜか・・・

いつまで経っても本が出ない? と、やきもきしているうちに、2006年、終わる(爆)

おいおい、15周年、終っちゃったよ!と思ってたら

その1年後、またHPに告知が出た。

「執筆が遅れております。再度コメントを募集します」って。

あれま。
・・・あんまり、コメント集まらなかったの?
と、苦笑いするしかなかった・・・

 

今度はテーマも自由で、字数制限も、前より緩い募集でした。

ええ~!じゃあ、前の何だったの!?
と、思ったけどね(苦笑)
まあ、それはとりあえず、置いておいて

 

また募集がされたのなら、また応募するしかない、とめげずに思い
今度はさくっと簡単に、私の気持ちを書きました。

ま~、どっちか載せてもらえたら、嬉しいなぁ~と思いながら(笑)


待つことそれから、また1年・・・

「ほんまに出るんかいな?」とかなり疑い始めた頃
やっと、やっと出ました。2008年7月に。
 

そして、そして
ページを開くと、載ってました。私のコメント。2つとも。
(応募した人、全員載ったらしい・笑)

最初に応募したコメントは、巻頭のページに。

 

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そして、2度目に応募したものは、なんと「森且行『SMAPxSMAP』最後の出演」の章。

それも
私が読んで大号泣した「きっと同じ熱意と誠実さをもって励んでいたにちがいない」と書かれた文章の下に。(76ページです)

 

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私の心のわだかまりをとってくれた、宝物のように大事にしている言葉の下に

自分が書いた文章が並んでいるのです。

感無量になりました・・・

 

6人を好きになり、今まで色々な奇跡のような体験をしてきましたが

 

思い返せばこれも、本当に私にとって、奇跡の出来事の一つだと感じています。

ファン冥利に尽きる、とはこのことですね。

この本自体は、ファンにとって思い出すと辛い出来事も書いてあるので
(だいたい、何のことかはわかりますよね・・・)
思わず涙する章もあるかもですが
「SMAP」と名の付く本、それも、本当のファンである篠原さんが真面目に考察された本に
自分が参加できたことは、何より幸せに思います。
 

「SMAPクロニクル」が世に出て丸4年・・・

その間にも、彼ら6人の歴史はどんどんと進んでいます。

 

本の出版のあとに、剛くんの謹慎のことなどもありましたが

 

今読み返すと、世間での森くんの扱われ方が一番劇的に変化したことではないのかなぁ・・・と、つくづく感じています。

 

篠原さんが、森くんのことを書いた章を締めくくる言葉は

 

私が座右の銘と思っているほど、素敵で印象的な言葉です。

 

「五人と一人は並行して一つの歴史を刻んでいる」

 

 

いつの日か・・・

 

SMAPが25周年か、30周年か、記念イヤーを迎える時に

この「SMAPクロニクル」のパート2が出てくれたらいいなぁと思います。

 

そして

 

その中に、願わくば

並行していた五人と一人の道が、どこかで交差した「クロニクル(歴史)」が書かれている未来が訪れていますように・・・