加藤ローサちゃんのこと | 森谷雄オフィシャルブログ「社長を。プロデュース」Powered by Ameba

加藤ローサちゃんのこと

「シムソンズ」という映画を原作から映像化までプロデュースしました。

構想はソルトレイクオリンピックから数えれば四年。

本格的に動き出して、二年くらい。

そして、ついに今週完成。


今回、シムソンズのメンバーのキャスティングに関しては、ずいぶんと悩みました。


今日は、加藤ローサちゃんについて語ってしまおう。

ローサちゃんにしようと思った最大の理由。

それは、彼女が「太陽」なイメージがあったから。

主人公・和子には「太陽のイメージ」があって、

それにはローサ以外いないくらいに僕のイメージは加速した。

オファーは去年の始めくらいからしていたが、スケジュールが確定したのは、

本当に夏の終わり。

正直、本当に出演してくれるのか?

と、ロケ地の常呂町のカフェ「しゃべりたい」に彼女が現れるまで、ドキドキだった。

もちろん、衣裳合わせも、それ以前の打ち合わせもしていたし、

会ってもいたし・・・。

でも、・・・・。

実は、ローサちゃんは直前まで別の映画に出演していた。

それはなんと、僕の共テレ時代の後輩の監督作品で、しかも、

カーリングとは間逆のサーフィン映画。

ギリギリまで撮影していて、彼女は風邪を引いてしまい、

そのまま常呂入りした。

でも、彼女は来てくれた。

嬉しかった。本当に嬉しかった。


以前、ある作品で、顔合わせに主役の方が現れず、そのままその作品が流れてしまったという事件に

アシスタント時代だが、遭遇したことがあり、

それ以来、現場が始まるまで、何が起こるか解らないのがこの世界だと思っていた。


でも、ローサは現れた。

いきなり、地元の病院に行き、いきなりカーリングの練習。

のどがやられていて、まともなローサの声はどれなの?

現場のみんなはそう思っていただろう。

これからひと月、本当に大丈夫なのか?!


プロデューサーとは、こんな不安と闘いながら、現場にいるものなのだ。


撮影中、一度東京に戻った僕は、ローサの喉のために、

「ゆず茶」を購入。

ロケ地に戻って、手渡したゆず茶は、

ひと月後、クランクアップの日になくなったらしい。

何とも、感動的な・・・(泣)


並行して色々な作品の準備をしていたため、北海道と東京を結局8往復した。

この間、ローサとは落ち着いて話をする時間もないほど、

撮影自体も超ハードスケジュールだった。

「今回の作品に参加してどう?」とか。

「台本の印象は?」「役作りは?」とか。

色々話したくても、寝る時間が大切なくらいだったからなぁ。


結局、撮影後、東京で行われた制作発表の時に、

取材もかねて、僕が俳優さんにインタビュアーとして向き合うチャンスが訪れた。

でも、インタビュー項目は多く、時間もまたもや限られ・・・。

そして、打ち上げ会場に僕もローサも30分遅れで入り、

またもやバタバタ。

打ち上げもあっという間に終わり、皆さんを送り出していた。

そしてそして、

最後にローサが僕の所に・・・

「あたし、この映画やって本当に良かった。ありがとうございました」と。

僕は固く握手した。

ローサの目から涙が・・・。

知らず知らずに僕の目からも涙が・・・。

ここでやっと全ての不安から解き放たれた気がした。


「一緒に仕事できて良かった」というような言葉がプロデューサーにとって最高の言葉だ。

「また泣いてるわ。森谷さん」と言われても、

その瞬間がどんなに素晴らしいか、この仕事をすれば必ず解るはず。


加藤ローサ様。

「シムソンズ」が良い出会いになれたのかな?

僕はあの嬉しい一言を胸に、これからも頑張れます。

いやはや、風邪には気を付けて下さい。

やばいと思ったら、また「ゆず茶」を持っていきますよ。

今度はもっと大きなビンでね。

また、感動を共有できる作品をやりましょう!


本当にありがとう。


では、完成披露で会いましょう!


と、明日からも「シムソンズ」のキャストについて書いていこうかなと思いました。

お楽しみに!