家族と忍耐
わが社のつくば工場に
ある26歳の女性パート社員がいる。
以前ブログにも書いた
ストーカーされているコの
おねえさんだ。
おっとりした感じで
ボケっとした印象を持つ彼女。
その彼女のご主人が、
会社で妙なトラブルに巻き込まれたという
話を今日彼女が帰り際に聞いた。
ご主人が勤める会社の他の従業員と
その従業員の「コーヒーを飲んだ、飲まない」
の言い合いになり、
相手が柔道有段者らしく、
投げ飛ばされてしまい、
絞め技をかけられたあげく、
もともとヘルニア持ちなのに
腰や首を痛めてしまって
今日で2日休んでいるとのこと。
ご主人本人は、
まったくの無抵抗を決め込み、
されるがままの体勢を取っていたらしい。
その昔は結構やんちゃして
相当ケンカ慣れしているらしいのだが、
彼はあえて相手することはなかった。
いくら相手が強くても、
返り討ちか痛手を与えるくらい出来るくらいは
当然できただろう。
でも彼はあえてそれを望まなかった。
彼は会社内ではそれなりの位置におり、
立場というものをわきまえたのだろう。
相手を血祭りにあげるくらいはわけないだろう。
しかし、どんな理由であれ、自己防衛の為であれ、
それをしたことによって、
会社は彼に対して良い印象は以後持たなくなるだろう。
同僚や他の従業員には一目置かれる事はあっても、
会社からは目を付けられるだけ。
それだけはどうしても避けねばならない理由が
彼にはあったのだ。
無防備にやられる一方的な立場を取って、
自分のプライドを捨ててまで、
彼には守らなければならないものがあった。
それは家族。
彼にとって、何よりかけがえないものであり、
すべて。
守らなければならない。
養っていかなければならない。
育てていかなければならない。
だから会社での立場を失うわけにはいかない。
生活がかかっているので
収入を失うわけにはいかない。
・・・
それを聞いて
彼は漢(おとこ)だと思った。
思わず、グっと来た。
(そう思わない人はいないと思うけど。)
しかし、2日間も休まざるをえず、
職場復帰が不可能なんてことになれば、
一家路頭に迷うことになる。
夫の様を見て、状況を聞いた彼女は、
すぐさま会社に噛みついたらしい。
「クビにしろ」 と。
彼女の話では、
ご主人は同じ柔道男から、今回で3度目
被害を受けているとのこと。
さすがに業を煮やしたのだろう。
ご主人もなかなか会社に言えない
何らかの立場にいるのかもしれない。
辛いところだ。
それに見かねて、あんなにおっとりした彼女が
強烈な抗議に出た。
当然のことだ。
彼女の見る目がちょっと変わった。
子供もいるし、母はやはり強いんだなと
改めて痛感した。
そして、そんなご主人を持った彼女が
素敵に思えたし、
そんな妻を、家族を持ったご主人を
うらやましく思った。
先日別れた彼女に顔が少し似ている人を
妻に持つご主人に一度会ってみたいと思った。
私は彼女を、ご主人を応援したい。
こういう境遇にいる従業員が、
わが社にまだまだいるのだろう。
ただ浮き彫りになっていないだけ。
従業員の数だけ、生活があって、家族がいる。
彼ら、彼女らが家族を守って
いかなければならないのと同じく、
会社は彼らの彼女らの生活を守って
いかなければならない。
非常に心地良い、素敵な、重圧(プレッシャー)だ。
俄然やる気が出ます。
彼ら、彼女らの、そしてその家族を守る為なら、
私はいかなる努力も惜しまない。
睡眠時間なんて、遊ぶ時間なんて
削り取ってやります。
クリアしなければならない目の前の課題、
もっと先にある命運を左右する将来的な命題は
山積している。
淘汰されないために、
生存し続けるために、
そしてその遙か先に
みんなが笑顔で居続けれるものがあるなら・・・
私は走り続けたい。