滋賀県守山市で内科・神経内科を標榜しております

守山さくら内科クリニックです。

 

未知のウイルスを相手に世界中が日々戦っています。

 

コロナウイルスとは普通の風邪症状を起こす、昔からあるウイルスです。

昔から風邪の特効薬を作れたらノーベル賞もんだ・・なんて言われるほど

一般的な風邪を治す薬はありません。

・・・というか治す必要もないくらい軽微な症状であり、よく水分をとって

休息をとれば数日で自然に治ります。

 

でもこの新型コロナは色々な顔を持っているようです。

 

1)普通の風邪症状と変わらない症状で終わるケース

2)不顕性感染と言って、ウイルス感染は起こっているがほぼ無症状で体の中で免疫反応を起こし勝手にウイルスが死滅していくようなケース

3)インフルエンザのように高熱や関節痛をきたすもその後自然に回復するケース

4)新型コロナウイルス感染は上記1)から3)ですが、新型コロナ肺炎となると、主に両方の肺にウイルス肺炎像が出現し、激しい咳や息苦しさをだしてくるケース

 

4)の場合は入院が必要で、その重症度に応じて酸素吸入、呼吸器管理、あるいは人工心肺による治療などが行われます。

症状に応じて抗ウイルス薬(アビガンも含まれるかと)、抗生物質(合併症として二次感染として細菌性の炎症が起こってくることがあります、ステロイド治療(ARDSという最重症の呼吸不全の場合ステロイド治療で激しい炎症を抑えることを目的で投与されることもあります。)などが行われます。

 

5)肺炎にその他の臓器不全を合併してくるケース

(心筋障害、肝不全、腎不全など、、そして山梨の男性のように中枢神経にも感染を認めるもの)

腎不全などがあれば透析治療も必要になります

 

6)ある中国の文献によるとICUで治療が必要になった患者の内一定数には肺炎像が見られなかったというものがあり、肺炎像が認められなければ中々コロナウイルス感染だと気づくのは難しいと思いました。

 

軽微な普通の風邪から多臓器に障害をもたらす多臓器不全を起こす可能性があるウイルス。

つくづくやっかいだなーと思います。

もちろんこのコロナウイルスに限らず、どんなウイルスにも重症化の可能性はあります。

ただ中国でのその致死率などを考えると、このウイルスは重症化率が他のウイルスと比べると多く、タチの悪さを表していると思います。

 

イタリアでは感染拡大が止まらず、北部で都市が封鎖になりました。

 

イランの状況は伝わってきませんが、議員が最近またなくなられこれで2名の死亡者が出たようです。

 

そこに私達に少しの光明がさすニュースが入ってきました。

L型・S型の存在です。

RNAウイルスは非常に変異を起こしやすく、すでに世界中で一定の変異数は同定されています。

日本でも10種類程度同定されているという文献もあります。

今のところこれらの変異によって、次から次へとコロナ感染を起こすことは可能性は低そうだと言われています。

L型・S型にしてもそのようです。

アメリカ人のケースでは同時にLとSが存在しており、おそらく同時に感染したのではないかと考えられているようです。

なので一定期間は一度コロナにかかればしばらくは免疫が働くことが考えられます。

 

中国の報道を信じるとするのならば

武漢肺炎と、その他の地域の肺炎では明らかに致死率が違います。

もちろん武漢がパニックに陥ったことがその一因かもしれません。

しかし武漢ではL型が大半だったとの結論づけるような報告でした。

それがしだいに変異し、S型となり、より症状が軽微なものに変わっていったのではないか?

もしこれがそうであるのなら、少し光が見えてきますね。

武漢での流行状況とその致死率を考えると、韓国や日本での致死率はそれほど高いようには思えません。流行の仕方も武漢よりは対策をしているからか少し規模が少ない印象もあります。

 

ただ武漢で流行したどんどん死者が出るような肺炎であれば、ウイルス自体も自然淘汰されるんですよね。宿主である人間が死ぬのですから。だからSARSやMARSのように終息が可能かもしれません。

でもS型と言われるウイルスは症状は軽微だけれども感染力が強いため、多くの方がかかっていきやすいという特徴をもち、ウイルスを死滅させるということは不可能になってきます。

共存するためには、今はじっとがまんでワクチンが出てくるのをひたすら待つ感じでしょうか。

 

 

またこのウイルスが回復後も中々陰性にならないことはしばしば問題になっているようです。それは再感染という怖い言葉で語られる事も多いですが、まあ再感染はまずないだろうというのが医者の一致した見解です。

SARSの時も回復してからその後PCRでウイルスを検知できる症例は比較的多かったようです。そのサンプル数は少ないですが、いずれも回復後無症状ではあるけれどもPCR陽性の患者から他の濃厚接触者に感染させたという報告はないようです。

 

ですのでウイルスは陰性化しにくい事はあるけれども

それは死滅したウイルスをPCR検査でキャッチしているだけかもしれないし、あるいはその量は極めて少なく人への感染力は問題にならない程度である可能性が高いんじゃないかと個人的には考えています。

 

 

一度コロナにかかれば一定期間は免疫を獲得できるんではないかと考えられています。

早く抗体検査ができるようになるといいですよね。

抗体があれば感染を過度に恐れる必要も少なくなりますから。

 

ワクチンが出てくれば、毎年変異するかもしれない新型コロナに対する免疫を獲得しながら私達もこの新型コロナにだんだんタフになっていけるんじゃないかなーと思います。

トンネルの向こうには光があり

それほど遠い先ではないので(数年後とかではないと思います)我慢・我慢でしょうかね。