三種町議会9月定例会初日の本会議閉会後、議会改革特別委員会の全体会が開催されました。

 

議会改革特別委員会では①議員定数・議員報酬と政務活動費②政治倫理条例の見直し③議会基本条例④議場改修の4点について、年内に方向性を定めるべく、調査と議論を重ねながら取りまとめ、年明けには三種町議会初のパブリックコメントを実施する予定です。最終的な決定は来年の9月議会を予定しています。

 

議員定数については、人口を基に算出されてきたこれまでの経緯や、県内町村の人口と定数などの参考情報が説明され、委員からは「現状維持や増やすことも考えるべき」「これまでの考え方に沿って削減を考えるべき」「定数の下限も議論されるべき」などの意見が出されました。

 

議員報酬については、計算方式や、県内の町村議会との比較、全国町村議会議長会の動向などが説明され、「定数を減らすのであればなり手不足解消のために報酬を上げてもよいのでは」などの意見が出されました。

最新の計算方式では実際の稼働時間に合わせて報酬を算出することが推奨されていますが、稼働時間を測るためには少なくとも1年かかり、今回の特別委員会の任期中には決定できません。

私からは「再来年の改選後に、稼働時間を測ったうえで決定してもよいのではないか」と意見を述べました。また三種町においては議長・副議長の報酬が低めで稼働状況を十分に反映できていないため、増額の必要性についても指摘しました。

 

政治倫理条例については①町当局が設置した委員会の委員への就任制限②SNS・ブログの運用ガイドラインの策定の2点について協議しました。

2点ともに賛成または理解を示す意見が多数でしたが、SNS・ブログの運用ガイドラインについては「最近議員の活動を制限する動きが目立つ」との懸念も示す委員もいました。

私からは「ルールの必要性は理解するが、議員の情報発信の重要性を鑑みてSNS・ブログの利用は不必要に制限するべきではない」と意見を述べました。

 

議会基本条例は議会の運営方針と基本的ルールを定めるもので、県内町村議会の半数が制定済みであり、現在制定の準備を進めている議会もあります。

議会基本条例の検討は、広聴制度や行政視察、会派制などを議会基本条例に位置づけることが適切という認識で検討が始まりましたが、委員の意見は「制定に向けて進めるべきである」「時期尚早である」「個別対応でよいのではないか」など賛否が分かれました。

私からは「議会基本条例は議会の基本的なあり方を定めるもので、他の町村議会でも制定が進んでおり、この機会に制定すべきである」と意見を述べました。

 

議場改修については、これまでに議場改修調査特別委員会などでの議論を経て概ねの方向性が決まっており、①傍聴席以外の議場のバリアフリー②動画配信の詳細の2点が、本委員会における検討事項になります。

 

議場のバリアフリーについては「推進するべき」「費用負担を抑えるためにバリアフリー化する範囲を限定するべき」「バリアフリー化しやすい場所に議場を移転すべき」などの意見がありました。

障害者差別解消法では障害を理由とする差別的取り扱いが禁止されており、当事者から申し出があった場合には「負担が過重でない限り、社会的バリアを取り除くために必要かつ合理的な配慮を行う」ことが求められています。

議員も町職員も障害を抱える可能性がありますし、障害を持った方が議員や町職員になる可能性もあります。

私からは「バリアフリーは推進するべきであり、費用対効果を最大化するためにも、当事者の参画を得て正確にニーズを把握すべきである」と意見を述べました。

 

動画配信については、既に配信することは決定していますが、詳細を本委員会で詰めていくことになります。

委員からは「動画配信するのであればバリアフリー対策も兼ね得るので、その点も考慮すべき」「本会議のみでなく委員会も含めて配信すべき」「費用対効果は測りづらいが、前向きに検討すべき」などの意見が述べられました。

私からは「住民の多様なニーズに対応できるよう、リアルタイム・録画双方できめ細かい配信を行うべきである」と意見を述べました。

 

年内の委員会での取りまとめに向けて、今後調査・検討が進んでいくこととなりますので、検討状況を随時お知らせする予定です。