すべての劇団主宰者へ。
あなたが率いる劇団の中で、深刻なセクハラやレイプがあったら、どうしますか。
「女の子を何人も泣かせている」なんていうとちょっとカッコよく聞こえますが、その内容が「レイプして泣かせる」だったらどうしますか。
断固として処罰できる人は、ぜひ引き続きそうしてください。
「役者のプライベートには立ち入らない」
「いい演技をしてたくさんお客さんを呼んでくれれば、私生活はどうでもいい」
僕はそう考えていました。
僕のように考えている人はいませんか。
僕は、事が発覚した直後、実質、加害者をかばってしまいました。
「かばった」というのは、「何事もなかったかのように公演を続けた」という意味です。
即刻退団させなかったことを、今でも後悔しています。
自分の組織の中で「加害」が発覚したらどうするか――これは、劇団主宰者に限らず、組織を率いるすべての人に考えておいてもらいたいことです。
完全に想定外だと対応力が半減します。
お堅いアイドル事務所みたいですが、いっそ「恋愛禁止」にしておくのもアリだと思います。
それなら、「自由恋愛」にかこつけたレイプを――完全に防ぐのは難しいかもしれませんが――少なくとも牽制することができるからです。
若い女の子がたくさんいるチームに10年以上いて、僕が「男として間違った行動」を何一つしなかったかと言えば、そんなことはありません。
レイプこそしていないはずですが、「はず」としか書けません。
だから今少し怯えながら文章を書いています。
もし今後、あるいは生まれ変わった後、何かのチームを率いるようなことがあれば、一切の逡巡なく不正に立ち向かえるよう、自分自身は完璧に公明正大でいたいものです。
乾燥した人生かもしれませんが、人の上に立つとはそういうことだと今は思っています。