原節子さんと京マチ子さんは映画界が決定した終身女優である。
京マチ子さんは「羅正門」でカンヌ最優秀女優賞を授与された。
日本では全く評価されなかった作品だ
。
日本映画をダメにしたのは日本の映画評論家だと僕は思う。
中でも、淀川長治さんと水野晴夫さんだけは
決してけなさなかった映画評論家だ。
全く認められなかった作品がカンヌ映画祭でいきなり賞を取ったのだ。
これで”世界のクロサワ”が誕生した。
「七人の侍」も同じだった。
当時は文芸作品が評価される時代だったのだ。
小津安二郎監督の「東京物語」が高く評価された。
主演 原節子さん
9月5日に逝去されていた。美しい女優さんだった。
「青い山脈」で共演した伊豆肇さんに話を伺ったのだが、
年に1回鎌倉で「原節子の集い」を開催していたという。
今井正監督始め共演者のみが
毎年集まって励ます会だったとおっしゃっていた。
”美人の代名詞”の原節子さんだが
老いのイメージを壊す事なく美しいまま消える・・・
彼女の美学だったのだろう。
森山周一郎