今夜も雨が降るのかしら。
七夕はいつも雨のような気がするので、
織姫と彦星は「またかよ!」なんつって歯軋りしているかもしれません。
ああ悲恋。
だからこそ美しいとされるのでしょう。と慰めましょう。
そして「織&彦」は、来年こそは!来年こそは!とますます燃え上がり、
倦怠期もなくこんなに長い間つきあっているのでした。遠距離恋愛で。

などと考えて遊ぶ森ヤング。
「織姫&彦星」は「ひしゃく星」と同様、星座ストーリーの定番ですが、何度聞いても好きな話です。
こっそり「織姫」の部分を「香織姫」に心で変換して聞くと、自分的にハラハラします。

星座にまつわる神話は、悲しかったり、トンチがきいていたりでとても面白い。
宇宙飛行士や、まるで心を持ってしまったかのような「はやぶさ」が活躍する現代ではありますが、
大昔の誰かが作った「星座の神話」があり、
中昔の誰かが「確認したい」と思い、
小昔の誰か(ガガーリン?)が行っちゃった。とりあえず月へ。行けそうだから。
それは時空を超えた人類の連携プレイ。
空想と科学のコラボ。
そう、七夕とは考え方を宇宙規模にする日…でなはく普通に考えると、
「織&彦」そっちのけで、小さな願い事をしてもよい日なのです。

たけにたんざく たなばたまつり
オーイヤ イヤヨ
ろうそくいっぽん ちょうだいな

私が子供の頃、浴衣を着た子供たちが集合し、
この歌を歌いながら近所の家を一件一件まわって、蝋燭やお菓子をもらいました。
ちなみに「オーイヤ イヤヨ」は「嫌だ!」と言っているわけではなく単なる掛け声ですが、
深読みしたら「織&彦」が主役は俺たちだと訴えているのかもしれません。

この歌は、お隣に住んでいた「ちえみちゃん」という、
近所でも評判のスレンダー美人かつ優しいお姉さんに教えてもらいました。

私は子の頃からすでにちょっとしたヒネクレ者だったので、
みんなで作った短冊には「お菓子がたくさんもらえますように」的などうでもいい事を書きながら、
ちえみちゃんの後ろにぴったりくっついて「たけにたんざく~」と菓子を集めつつ、本当は、
「ちえみちゃんのようになれますように」
とひそかに小さな、いや、ビッグな「願い事」をしていました。

もはや40年近い昔の話です。ゲゲゲ!
特に「記憶しなければならない」と頑張っているわけではないのですが、
七夕になると自動的にこの事を思い出します。
これからもずっと思い出すのかもしれません。オートマチックちえみ。

人の記憶は不思議です。
記憶も、願いも、空想も「時空超え可能」。
しかもそれら「カタチがないもの」も、
科学や電波によって「カタチ」になったり、繫がったり届いたり可能。

もしかしたら、私の記憶はこの「ネット」によって「ちえみちゃん」に繫がるかもしれないし、
「織&彦」は「プラネタリウム」によって、今夜デートできてるかもしれません。
めでたしめでたし。
完。(何の?)

追伸。
北海道の七夕は8月7日でした。ぎゃふん。