中央アジアの南西部に位置するトルクメニスタン共和国。
カスピ海に面し、アフガニスタン、イラン、ウズベキスタン、
そして、カザフスタンに国境を接する国であり、赤い宝石を
大切にしている歴史がある。
今回、紹介するのは、耳飾り(イヤリング)とこめかみ飾り。
イヤリングはともかくとして、こめかみ飾り…とは、あまり
馴染みのないジュエリーだが、伝統的にトルクメニスタンでは、
頭に装飾品をつける習慣があり、顔の左右にぶら下げる感じ
で着けたようだ。
文章引用ここから>
耳飾りがこめかみ飾りとして偶然用いられたのか、また独自で
用いられるようになったのか、今のところ分かっていない。
丈の長い切り抜き文様は、裕福な家の妻が用いたモノで、
なかには、スカートをはいた女性の姿のような形をしたものもある。
これは、アダムリク(小さな人間)と呼ばれるもので、様式化された
女先祖の姿であると言われている。頭飾りの脇につけて
頭飾りの脇につけて、耳元から胸のあたりまで吊り下げるので
あるが、歩くと揺れる装身具の音色と優雅さが、大きな魅力の
一つかもしれない。また、耳飾りは、イランに住むヨムート族の
ものが独特な形の「小籠形」になっている。和の内側には山、
その両脇に蛇の頭が見られる。これは古代イランの世界観を
象徴しているといわれる。世界の蛇が、世界の蛇や山、その両脇
に蛇の頭が見られる。これは古代イランの世界観を象徴している
といわれる。世界の蛇が、世界の海からそびえ立つや山々を
取り囲んでいる、という構図のものがあったり、山の中に
「生命の木」というモノが描かれているものもある。
中略
こめかみ飾りとしてすでに耳の辺りには鎖が垂れ下がっている
ところに、さらに耳飾りをつける。護符という意味で、二重、三重
に装身具をつけて自分の身を守ったのかも知れない。
>引用ここまで(シルクロードの赤い宝石)ポーラ文化研究所著
ミャンマー産ルビーと同じ性質を持ったルビーが産出していた
といわれるアフガニスタン(今は自然が枯渇して採掘は止まって
いる)に国境を接するトルクメニスタン。
先日は、頭飾りをご紹介したが、トルクメニスタンには、多くの
装飾品が残っており、そのほとんどに赤い宝石が使われて
いることに驚くが、以前にも伝えた通り、アフガニスタンで採掘
されたルビーが、トルクメニスタンを通って、中近東、欧州へ
伝わって行ったのかも知れない。