悲しい出来事…

今日は、京都で「あるルビー」の査定が入って

いたので、モリス京都三条本店へ…

90歳のキリッとされた紳士が嬉しそうに

お越しになった。

その石は、結婚される時に、お父様から

お祝いに頂かれたモノ…、

「子供も居ないから、最後はこれを売って

最後に嫁と、東京へ旅行に出ようかと思って…」

とのこと。

さっそく拝見することになったが… ツライ仕事。

ルーペで内包物を観た瞬間に、それが人工合成石

だと確認できた。

その後は、いつも通り、100年前は天然ルビー

よりもフランスのルビーの方が高級品だった…

まだ人工的なモノと天然の宝石を区別して

いなかった…

等々、説明をしたが、おじいさんはガッカリ。

「3000万円ぐらいかな…と思っていた」

「知らない方が幸せだった」

「妻は期待しているから、言わないでおこうか…」

「この歳で…知りたくなかった…残念だ…」

と、小さく元気なく帰って行かれた。

…また…だ…。

ルビーの専門家であるモリスは、日頃から

赤い石の査定をするが、天然ルビーと同じように

売られた人工合成石を今も資産として大切に

されている方が多い。

モリスルビーは、20年前に、京都東山で創業し

創業直後に、このおじいさんと同じような

ことがあった。

だから、ミャンマーの奥地、ルビーの鉱山で

採掘を始めた会社である。

私達がルビー、それもミャンマー産の

天然無処理のものしか届けないのは、

100年以上の責任を持てないから。

宝石ルビーの希少性は、掘った人間にしか

分からない。

ルビーと思って長く大切にされていたモノを

査定して値段がつけられない時は、すごくツライ。

そして、何とも言えない「怒り」がこみ上げてくる。

その当時は、人工合成石も宝石として売られていた…

なんて言っても時間は戻って来ない。

その宝石で、人生の最後の楽しみがパーになった

老夫婦の気持ちはどうなる?

お祝いに、おじいさんに送ったお父さんは、

天国で怒っているだろう。

宝石は、何百年経っても変わず、持っていた人の

ことを語り続ける。

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ルビーブランド  Mori's ruby(モリスルビー)銀座/京都三条

公式サイト: https://www.morisruby.com/

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