
ルビーが結婚指輪に使われた歴史は、ダイヤモンド
のそれよりも遥かに歴史が長い。
日本でいう鎌倉時代に使われた指輪。
その当時の欧州で、ルビーといえば王様の宝石であった
ため、普通の人が着けたのではないだろう...。
イタリア最後の王妃「マリア. ジョセ」が、成婚の時に
プリンスから贈られた指輪もルビーであり、その指輪も
現物を手に取る機会に恵まれたが、ミャンマー産の
天然無処理で美しいルビーだった。
産業革命以降、色々なストーリーが、商業的につくら
れて、そして宣伝広告によって一般大衆にダイヤモンド
が広がったが、伝統的には、そ頂点は、今も昔も
宝石ルビー。
(もちろん現物は、天然無処理で美しいものであった)
下記内容は、HISTRIC RINGSの研究に参加、現物を
手に取りながら研究した内容を諏訪恭一氏、宝官優夫氏
の監修でまとめられたもの。
私は、ルビーの指輪の原稿を担当した(下記に引用)

HISTRIC RINGS 指輪88 四千年を語る小さな文化遺産たち
淡交社
愛の証の指輪 P24から
(原文のまま引用)
心地よい小さなルビーがイエローゴールドにそっとセットされた、可愛らしい指輪です。あぶみ型のリングの上に、少し背の高いカボションカットのルビーがセットされています。ルビーは蛍光性が高く、内包物の状態からみてビルマ(現ミャンマー)産の無処理で美しいものです。握り合う手のリングは、イタリア語で忠実をいみするフェデリングと呼ばれ、愛を伝えるデザインとして使われました。握り合う手のモチーフは二人の愛の証として古代ローマ時代からあり、中世に復活した後、12世紀には、イギリスでも用いられるようになりました。以来、婚約、結婚指輪として好まれてきたスタイルです。最近は、婚約指輪といえばダイヤモンドが一般的ですが、中世からルネッサンス期にかけての多くの指輪には、「愛」や「ハート」の象徴としてルビー使われていました。
(引用ここまで)