宝石ルビーの価値には、品質と需給のバランス、
そして伝統と慣習が関係する。
その伝統と慣習の部分で、興味深い話がある。

フィレンツェのベッキョ宮殿前の立派
な騎馬像は、コジモ. デ.メディチ。
薬剤で財をなし、15~16世紀にかけて
フィレンツェの実質の支配者であった
メディチ家は、ロイヤルファミリーでも、
戦士でもなかったが、騎馬像!
その存在感に驚く。
一般的に、メディチ家といえば、ダヴィンチ、
ミケランジェロ、ラファエロなどの歴史的な
芸術家をサポートし、欧州のルネッサンスを
牽引した「豪華王」とよばれる
ロレンツォ. メディチが有名だが、
現地フィレンツェでは、少し違った。
ウィフィッチ(イタリア語で事務所)美術館の
学芸員が、「ロレンツォは散財したんだよ、
フィレンツェを一流にした人物は、コジモだよ」
と説明してくれた。
(散財…どうやら芸術にお金を使いすぎてコジモ
が大切にしていたルビーを手放してたようだ)
コジモの時代に活躍したボティッチェリなどの
フィレンツェに残る絵画には、要所でルビーが
描かれているが、ロレンツォの時代のダヴィンチ
などの絵画には、あまり登場しない。
ルビーの価値を高く評価したのが、コジモだった。
コジモは、金の地金を銀行家に預けて、今の銀行
のスタイルをつくった人物で、フィレンツェでも
尊敬される実業家だが、なんでも宝石ルビーだけ
は、誰にも渡さないように厳重に管理したそう。
その時代のルビーの値段はダイヤモンドの8倍
だったといわれている。
孫のロレンツォが、その宝物ルビーを手放して
芸術家をサポートしたのだろうか。
ミケランジェロやダヴィンチを産んだ、経済的に
も文化的にも世界の頂点であった都が、それから
2世代後のロレンツォの時代に、散財し、メディチ
としての権力を失っていった時期と重なるのは
偶然か?
価値を宝石、金の地金の需給のバランスから
「金本位制」の貨幣経済を構築していった
天才コジモとは対照的に、人の手で作り出せる
ものを商業的に流通させて華やかだが、長続き
しなかったロレンツォ。
米国ニクソン大統領が「金本位制」をやめたのに、
何でも、貨幣の量でモノの価値を認識する今の時代
と、貨幣の力で繁栄し、その後、衰退していった
フィレンツェに、何か不思議な共通点がある。
宝石ルビーを深く掘り下げていくと一般的な
目線では見えない事が分かり、興味深い。
モリスは、お宝ルビーを世界から日本に集めて、
宝石文化を世界に発信していくことゴールにして
創業した会社。…だから、とても気になるポイント。
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ルビーブランド Mori's ruby(モリスルビー)銀座/京都三条
公式サイト: https://www.morisruby.com/
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