引用ここから→
14世紀のフランス王フィリップ6世
は、ルビーを宝石の王だと述べて
いてイタリアの詩人ペトラルカに
よるとフィリップ6世の息子である
ジャン2世もルビーの指輪をお守り
として常にはめていたという。
こうした中世ヨーロッパのたちが
ルビーを身につけていたのは、
危険を予知するためであった。
ルビーの赤い色が黒ずむと、不吉
な出来事が起こる前兆だとされて
いたのである。
(引用:ここまで)
宝石の歴史
パトリック.ヴォワイオ著
ルビーの赤い色が黒ずむと、
不吉なことが起こる…とは、
この文章以外でもよく見聞き
するが、宝石ルビーの中で
一番敏感に色が変わるのが、
ミャンマー産ルビー。
今は資源枯渇して無くなった
アフガニスタン産もそうだが…
成分分析してみると面白いこと
に、カルシウム分が多い堆積岩
を母岩として結晶したミャンマー
産ルビーには、ルビーを赤くする
着色要因である
クロム/ 鉄 /バラディウムのうち
クロム以外は殆ど
含有されていない。
赤い理由はほとんどクロムのみ。
その他の産地は、3種類の元素が
平均的に入っている。
だから紫外線(635nm)にあたって
もあまり反応しない。
ミャンマー産ルビーは、その
光あたると鮮赤色に輝く...。
光源の僅かな違いで大きく
表情を変えるのがミャンマー産
ルビーの特徴。
聖書のノアの方舟の中で燃える
石炭のように輝いた石や、
フィリップ王が色が変わる...
といったルビーは、やはり
ミャンマー産だったのかも。
写真は、ミャンマー産ルビーの
蛍光反応。長波光にあたると
違う宝石のように輝きだす。