それを600度で5時間加熱後
この様な姿になった。
モリスが加熱処理を見分けら
れるのは、自分達で美しさに
欠けるルビーを加熱したから。
「加熱処理が悪いのではない」
処理したルビーを元々美しい
ルビーだと思って買ってしまう
のが良くない。
普通の人は、処理のことなど
知らされないから、ルビーは、
すべて一緒だと思っても仕方ない
事だが、ご購入するときの値段
はあまり変わりなくても、
手放すときには、何百倍の
値段差になることも...
なぜ、モリスはここまで、細かい
ところを気にするのか?
ルビーの歴史を学べば、理解して
貰えると思う。
1888年イギリスの宝石商
エドウィン.ストリーターが
「ビルマ鉱山会社」を設立し、
ルビーの採掘を始めた。
現ミャンマーのモゴック鉱山。
19世紀後半から20世紀前半の
しかし、その後イギリスがミャンマー
宝石の定義、美と希少、不変。
人の都合で数を増やすことが
19世紀後半から20世紀前半の
イギリスのアンティークジュエリー
に使われているルビーは、
そのほとんどがミャンマー、
そのほとんどがミャンマー、
モゴック産のルビーで、
この時に採掘されたモノである。
しかし、その会社は、設立から
この時に採掘されたモノである。
しかし、その会社は、設立から
わずか20数年で破産してしまう
のだが、その理由は人工合成石の
登場。
その時にイギリスとルビー鉱山
登場。
その時にイギリスとルビー鉱山
の採掘権の争奪戦に敗れた
フランスが、1908年にベルヌイ
博士の発明した人工合成ルビー
を売りに出した。
天然、人工石の区別をつける
天然、人工石の区別をつける
前の時代であり、また、
その当時、アジアの小国産の
商品より世界のファッションを
リードするフランス産の方がよい、
とこぞってフランス産の人工合成石
が売れていった。
このためにイギリスが採掘して
いた天然ルビーの取引価格は大暴落。
鉱山から撤退、破産した。
しかし、その後イギリスがミャンマー
から撤退したあとも、
売れるからといって、たくさん
製造し過ぎた人工合成ルビーは、
数が増えすぎて宝石としての価値
を失った。
宝石の定義、美と希少、不変。
人の都合で数を増やすことが
できるものは、最初はいいが、
宝石としての価値が下がり、
人工的であることが分かって
見分けられるようになると、
違うものとして宝石の枠から
外される典型的な例。
加熱して人為的に美しさを
改良したルビーも…そのうち合成石
と同じ道を辿るだろう。
大切なことは、人工合成であろうと、
加熱処理したものであろうと
天然無処理のルビーと同じように、
50年後も100年後も変わらず
残るということ。
時間が経つと数が増えすぎて
需給のバランスが崩れて陳腐化
する。自動車や電化製品のような
消費するものであれば良いが、
宝石は、ずっと残るもの。
贈る人、贈られる人が私だとしたら…
天然無処理で美しいミャンマー産
のルビーがいい。