宝石ルビーは人間が工場でつくる

モノではなく、自然の造形美。

モリスが、ミャンマーの原産地に

居続けて、はや20年目になるが、

受け継がれるに値するお宝のルビー

は、そうするしか品質を保証する

方法はなかった。

お宝というのに、誰も保証して

くれない、プロとして断言しない

のは、おかしいと思ったし、いまも

そう思う。

だいたい、採掘の現場であれだけ

少なかったルビーなのに、

どこでも「非加熱ルビー」とかなり

お安く販売されていて、疑問に思って

加熱処理の実験をしてみた。


上のルビーのインクルージョンは、

ミャンマー、モゴック鉱山産の

ルビーのもの。

それを600度で5時間加熱すると

カルシウムの結晶(アパタイト)と

思われる結晶の周りにクラックが

広がった。

ご覧の通り、周りにあるシルク

インクルージョンと呼ばれる

ルチルの針状結晶は変化していない。

加熱したら色は、僅かに明るくなった。

加熱処理の効果があるといえる。

私が、宝石を専門学校で勉強したとき

は、このシルクインクルージョンが

見えたら非加熱ルビーの証拠、

加熱処理がされていないルビーだと

教えて貰ったが、その情報は、もう

古い。今は、昔よりももっと低い

温度で加熱して色の改良ができる。

ここで言いたいのは、シルクincが

ルーペで見えるから非加熱ルビーだ...

などと中途半端に宝石鑑別を知って

いる宝石商が、鑑別業者の発行する

分析結果報告書を保証書代わりに

使って、鑑別書がついているから

大丈夫...などと言うのは間違いだと

いうこと。

スイスのグベリンやSSEFなどは

まだ信頼性は高いが、それでも

書類のどこにも品質を保証する

とは書いていないし、博士は、

いつも「宝石商が保証するべき」と

言っている。

(スイスの赤い表紙の×××という

書類は、論外だが)

結局、中間業者が、自分達の

ビジネスのため、自分達の立場を

守るために作った仕組みだとしたら、

そんな世界は、もうすぐ無くなる。

再鑑別すれば、今の技術ですぐに

分かるし...

工業製品の品質管理技術や考え方を

レベルが高いと思って、大自然からの

恵みに当てはめようとしているのが

おかしいのではないか?と思う。


モリスは、原産地の仲間たちと、

世界にたった一つの宝石ルビーを

探し、それを大切にしてくれる

皆さんに直接お届けする。

そのスタイルしか私には

思い浮かばない。