運慶の菩薩像には、魂がこもっているような「世の中のあらゆる存在は唯だ自己の心の現れにすぎない」インドの僧である、無著と世親が唱えた「唯識」の思想。奈良の興福寺と京都の清水寺は、この唯識の教えが伝わった、古いお寺。この表情は、地獄に落ちていく人間を救ってあげられなかった…と哀れむ表情だとのことだが、今も生きて、地獄に落ちるな!と祈ってくれているように感じる。仏師、運慶の大作。