カット研磨され、完成したルビーを見ていると分からない
事ですが、ルビーの原石は同じ形のものはありません。
これらのルビーの原石は、ミャンマー最北部ナヤン鉱山の
マノゥー(現地カチン族の言葉で極楽)と呼ばれる鉱区から
産出されたもの。
人間と同じように、同じものがありません。
要するに「個性」があります。
工業製品でいうところの「誤差」ではなく、それそのものが持つ
「個体差」。
私たち宝石商は、毎日ルビーの「個性」と向き合っている
ので、お客様と少しお話しすると「相性」を感じる。
ずっと個性と向き合っているうちに、感じたのは、相性の良い
ルビーと出会う時は、「良い」か「悪い」かという品質判定をする
ような眼で見ると、品質の高いルビーとは出会うことができても、
相性の良いルビーと出会えなくなってしまう。
相性の良いルビーと出会う時に必要な感覚は…
「好きなルビー」かどうか。
色々なルビーがあったとして、一番品質が高いものを選んだ
からといって、それが相性が良いルビーだとは限らないが、
逆に、目の前にたった一つのルビーしかなくても、それが
「好き」と感じれば、それが相性の良いルビー。