アーチャーズリングと言われる弓を射る

時に射手が指に着ける指輪。

ムガール帝国の時代のもので、マハラジャ

が権力の証として儀礼用に身につけていた

と考えられる。


親指に装着して使われるものだが、

実際にはめてみると、鉄砲でいう引き金に

あたる大切な指輪。

武器に装飾を施すといえば、日本刀の鍔(つば)を

思い出す。

とても鋭利な日本刀を使う武士が、自分の手を

守るための部品であるが、例えば剣豪、宮本武蔵の

「むさしつば」など芸術的な図柄が有名である他、

赤銅を使ったり、透かし彫りで紋様を表現したり…

とまさに美術工芸の域。

アーチャーズリングにも、武という究極の世界で、

動物的な強さだけではない、という気持ちが、

表れているのかも知れない。

写真、引用文章は、指輪88(淡交社)より