ルビーは、古くから宝石として大切にされてきた。

にもかかわらず…

古代から中世にかけて書物への記述が少ないのは、

国王の王冠を飾る宝石について、一般人が

あれこれ書くことは許されなかったこと、

そして、数が少なかったこと、

本物が驚くほど高額であったことが原因。

例えば、英国のインペリアル ステート クラウン

(英国王の王冠)に誇らしげに飾られている赤い宝石

ブラックプリンスは、ウェールズ家のエドワード

皇太子が、戦利品として持ち帰ったものであり、

ルビーと信じられていたもの。

後からレッドスピネルだとわかったが、

今から約650年も前の話… もし一般人がそれを

指摘したら、間違いなくあの世行きだっただろう。

その後のルネサンス期のロレンツォ. メディチが、

最も大切にした財宝もルビー。

当時の目録にダイヤモンドの8倍の価値があると

されている。

絶対的な権力をもつ人物が大切にした宝石がルビー。

そのルーツは、旧約聖書にも聖書にも…

…人の知恵はルビーにも勝る…

という記述から、大切に崇められてきた宝石だと

いうことが分かる。

それが分かって、中世、ルネサンス期の絵画を見ると

描かれている宝石の意味がよく分かるし、ルビーの

ストーリーや記述が少ないことも分かる。