写真は、ルネッサンス期のルビーとダイヤの

結婚指輪で、ギメルリングと呼ばれる、

2本のリングが一対になっている形。

愛を象徴するルビーがついたリングと永遠を象徴する

ダイヤモンドがついたリングが組み合わさって…

当時、せっかく神の前で結婚したのに、離婚して

しまうカップルが多かったそう。

そして約束を破ったから…

教会に行って懺悔して、お金を払って免罪符を

いただければ許されるという風潮が…

それを許せなかったのが、プロテスタントのもとに

なったと言われる宗教家、マルチン.ルター。

バチカンへ盛んにプロテスト(抗議)したそう。

結局、問題児扱いの上、破門された

マルチン.ルターは、好きだった修道女に、

ギメルリングを差し出してプロポーズし結婚。

宗教家である前に、人であることを選んだ。

膝をついて結婚を申し込むプロポーズの姿は、

破門されたルターが、修道女だったエカテリーナに

プロポーズした時の姿といわれている。

4人の子供に囲まれて幸せに暮らしたそう。


さて、写真のギメルリングはとても高額だったはず、

プロポーズする若い男性が、ルターのもとに結婚を

報告、祝福してもらうためにありったけの

財産を投入して、つくったのだろう…

このリングを実際に手にとってそう感じた。


「いい加減に結婚しないでくれよ」

というルターのメッセージが400年の時を経て

今も伝わってくる。

写真は、橋本コレクションのギメルリング。