
1888年イギリスの宝石商エドウィン.
ストリーターが「ビルマ鉱山会社」を設立し、ルビー
の採掘を始めた。現ミャンマーのモゴック鉱山。
19世紀後半から20世紀前半のイギリスの
アンティークジュエリーに使われているルビーは、
そのほとんどがミャンマー、モゴック産のルビーで、
この時に採掘されたモノである。
しかし、その会社は、設立からわずか20数年で
破産してしまうのだが、その理由は、人工合成石の
登場。
イギリスとルビー鉱山の採掘権の争奪戦に敗れた
フランスが、1908年にベルヌイ博士が発明した
人工合成ルビーを売りに出した。
天然、人工石の区別をつける前の時代、天然ルビー
の価格が大暴落して鉱山から撤退、破産した。
化学組成が同じだからホンモノのルビーだ…と。
イギリスがミャンマーから撤退したあと…
売れるからといって、たくさん製造し過ぎたため
人工合成ルビーは、宝石としての価値を失った。
美と希少、そして人の手の届かないところで生まれた
ものである…という宝石の定義から外れていたと
気付いたのは、後のこと。
人の都合で数を増やすことができると、宝石として
の価値が下がっていく。
今は、ドンドン処理技術が発達し、人工的に美しさ
の改良が行われているが、歴史は繰り返される。
創業以来、天然無処理で美しいミャンマー産ルビー
だけをお届けするモリスは、100年後もルビーと
いえばモリス…でありたいから。