その権力を使って世界中の宝石ジュエリー

を集めた神聖ローマ帝国のニコライ2世、

王朝崩壊後にロマノフ王家が所有していた

宝石の目録について、宝石業界のご意見番

山口遼氏の著書に下記の記述。

「ジュエリー世界史 新潮社」
P276より引用
1917年にロシア革命が起こると、多くのロシア貴族たちは莫大な財産をかかえて国外に逃亡したが、ロマノフ王朝最後の皇帝となったニコライ2世とその家族たちは、全財産もろとも、レーニン率いる革命政府に捕らえられた。すると、革命軍が皇帝の財産を勝手に私物化している、との反革命派からのデマが流れた。基盤の弱い革命がこんなことでぐらつくのをおそれた革命政府は、革命の煙がいまだおさまらない1925年に、ロマノフ家が代々所有していた膨大な宝石と宝飾品の目録を作り、公表した。この目録ほど、世界史に残るような宝石の収集というものが、いかにすさまじい量たるかを如実に示すものはない。この時に集められた宝石、宝飾品は 総数で460個、もっとも多いのはブローチで74個、王冠3個、ティアラ12個、首飾り16個などであった。それらに使用されていた宝石は、ダイヤモンドが合計25500カラットで、そのうち最上質の大石だけで1500カラット、エメラルド3200カラット、サファイア4300カラット、スピネル1300カラット、天然真珠630カラット、ルビーはどうしてか好まれずにわずか260カラット、その他の半貴石は正確な勘定すらされていない。←引用ここまで。

引用の文にもあるように、ロマノフ王朝の

権力を持って集めてもルビーは、

260カラット(52g)でした。「ルビーは、

なぜか好まれず…」と記述がありますが、

王冠の真ん中に着くルビーは、ロマノフ家

が大切にしたイースターエッグの装飾にも

使われているので、好まれなかった、と

いうよりも絶対量が少なかったはずだと

感じます。

ルビーの産出現場に携わって分ったのは、

原石から宝石品質の原石の産出量は、

ダイヤモンドの数百分の一以下。

この目録からも世界中にあるルビーの

ほとんどが人工的に合成されたものか、

人為的に品質改良したものである理由を

垣間見ることができます。

ロマノフ家ですら260カラットしか集め

られなかった宝石ルビー。

だからルビーの品質の見極めは、他の宝石

よりも慎重でなくては、と感じるのです。

文章を引用させて頂いたジュエリー世界史

「新潮社」は、古代から現在までの宝飾品

の歴史について一冊で流れが分かり、また

山口先生節が、とても愉快で楽しい…

あっという間に読み終えてしまうオススメ

の書籍です。