よく会話の中で「愛の結晶」や

「長年の努力の結晶だ」など、

どちらかといえばポジティブな

表現をしたいときに、何か貴重な

ものの例えとして登場する「結晶」

という言葉。


石には、岩石と結晶がありますが、

伝統的に四大宝石といわれ、

皆さんもよくご存じなルビー、

エメラルド、サファイア、ダイヤモンドは、

みな結晶です。身近にある同じ石でも、

御影石や大理石などの石は「岩石」と

呼ばれます。色々な元素や結晶が混ざって

一塊になったもので、規則正しく整列して

いないために、光が透過せずキラキラ

しません。

対して結晶は、元素が規則正しく整列して

います。運動会で子供たちが整列して行進

している時を思い浮かべてください。

目の前を通過していく子供たちの行列の

間から、一瞬ごとに向こう側が見えるはず。

それと同じで法則をもって整列すると光は

透過されるのです。

さて、ルビーの結晶の化学組成は「Al2O3」

酸化アルミニウムです。お馴染みの白くて

軽く便利な元素アルミ2個と私たちの命の源、

酸素3個が仲良く手をつないで、規則正しく

整列した姿です。鉱物名「コランダム」と

結晶です。そのコランダムにクロムという

元素が1/200の割合で混入すると赤くなり、

宝石ルビーと呼ばれます。ちなみに、

鉄とチタンがコランダムの中に入ると

ブルーサファイアになります。

ルビーとサファイアは、鉱物的には同じ、

兄弟姉妹のような存在です。

さて、そのルビーを赤くする元素「クロム」は、

ギリシャ語「クローマ=色」が語源ですが、

このクロム、エメラルドの中に入いると緑色に

発色させる要因になります。名前の通りです。