
写真は、指輪88(淡交社)で登場する
赤色の石を使ったヒストリックリング。
来歴は、1905年アメリカですが、
使われている石が人工合成ルビーです。
丁寧に作られているジュエリーを見ると
少しがっかり。
今では、人工合成ルビーは、宝石と
見なさないから何か「偽物」を見ている
ような気がしてなりません。
1890年代後半にフランスのベルヌイ博士が
発明した人工合成ルビーは、その当時、
「天然のルビーよりも美しいルビー」
として高額で取引されていました。
発売当時には、作られた数が少なく、
希少でしたが、時間が経って製造方法の
広まりとともに、人の手で数を増やす
ことが出来るモノ=珍しいモノでは
なくなってしまいました。
希少性が低下し、今では宝石とは呼び
ません。
人工合成石といえど、経年変化が無いので
今も高級品の姿で残っています。
某オークションで、1000米ドルほどで
落札された記録があります。
天然無処理でこの美しさであれば、
数億円で落札されるはず。
宝石の定義、
美、希少性、不変を鑑みると
時間の流れ、変化するトレンドを感じる。
そういう意味で貴重なリングかも
知れません。
写真) 指輪88より