
(中国宝石記載写真より)
スカラベリングは、その形が甲虫の
糞コロガシをモチーフにしています
が、糞を転がす姿が、丸いモノ=太陽
を転がしていることや、成虫が死んでも
その丸くした糞の中から死んだ成虫と
同じ形をした成虫が出てくることから、
再生、復活を表わしました。
さて、以前に、
指輪88に記載されているリングを
実際に手に取って拝見する研究会が
ありましたが、そのアメシストの
スカラベリングも甲虫の目が
特徴的でした。
サイズがとても大きく、私の親指
にも大きすぎるので不思議に思い、
ダイアナスカリスブリック著の
Histric Ringsを見たら…!
ミイラを飾っていたリングだと
知って驚きました。

(紀元前1991-1650年古代エジプト
「指輪88」より
古代エジプトでは、人間の生涯は
35年程度であったため、人々は
「永遠の命」を強く願い、再生のため
にミイラをつくりました。そしてミイラ
には、さまざまな護符が用意されていて、
このスカラベリングは、神官が王様の
遺体に指にはめて、来世も帝王の家に
生まれることを願った護符の一つだと
おもわれる。(指輪88より引用)
権威を表わす、王冠やティアラ、
ネックレスやピアス…
多くのジュエリーは、自分の眼で
直に眼にするモノではなく、
「誰かに見ていただくモノ」…対して、
指輪は、自分の眼で、しかも至近距離
で見る機会の多いジュエリーです。
太古より、人は指輪に特別な想いを
こめて来たようです。
「人の気持ち」を感じます。