
写真は、「Histric Rings 指輪88」淡交社の
28番目に登場する15世紀のダイヤモンドの
原石を使ったポージーリングです。
フランス語で、
「このリングを見るとき、私のことを想って下さい」
と腕の表側に彫られています。
私が、最初に拝見した時の印象は、
「小さい!」でした。
それもそのはず、サイズは2番、あまりの小ささに
「これは、子供が着けたのではないか?」という
説まで出てきました。
本書でも書かれていますが、実際には、指の
細い女性が小指に着けて使っていた様です。
ダイヤモンドの表面の成長線が天然で育った
結晶であることを物語ります。
その天然のダイヤモンドの肌が、このリングに
不変のモノだというオーラを与えています。
さて、左のページのリング2本は、それぞれ、
原石の形にカットしたモノと、ブロンズと
ガラスで模したリングです。
この指輪88(淡交社)の本の素晴らしいのは、
ダイヤモンドの原石を使ったリングと、
ダイヤモンドを原石の形にカット研磨したリング、
そして、ガラスとブロンズで模したリングが
2ページで見ることができるところです。
ルビーにしても、天然無処理で美しいルビーリング、
天然ですがあまり美しくないリング、
そして、人工合成ルビーを使ったリングの
それぞれが、本の中で表現されています。
その時々に、天然の美しさに憧れ、それをつくろう
とする人間の努力を垣間見ることができます。
昔からあまり変わっていない、人間の習性なの
かも知れません。
これらのリングを見ることにより、
言葉で表現されている
「美しく」「希少で」「経年変化の無い」
宝石の定義の本当の意味を感じることが
できます。