
指輪88(淡交社)の裏表紙にも登場する
イギリスのビクトリア女王の結婚式の
介添人に贈られた指輪(1840年頃)です。
本文より引用ここから)
ヨーロッパ王室の中で、ヴィクトリア女王
とアルバート公の結婚は恋愛で結ばれた稀な
ケースでした。夫婦生活も円満でイギリス国民
の理想とされました。わずか18歳で即位した
ヴィクトリア女王は、その後60年以上に
わたってイギリスを統治し、大英帝国
とその最盛期を築いた一方で、ライフスタイルや
ファッションのトレンドをリードする存在でも
ありました。しかし、41歳の時に、
最愛の夫アルバート公が急逝してからは一転、
長く喪に服し続け、黒を基調にした
モーニングジュエリーの流行が起こるのです。
彼女の人生を振り返ってみると、幸福感と希望に
満ちた瞬間が閉じ込められた貴重なリングだと
思えてきます。
引用ここまで) 文: 小宮幸子氏
…リングはパーソナルなジュエリーだと
よく言われ、着けた人がその時に感じただろう
事が時間を超えて感じられるものです。
ネックレス、ティアラ、耳飾りなどとは少し違う
部分ですが、このリングも、文章の題名のとおり
ヴィクトリア女王の幸せのおすそ分けだったの
でしょう。
そして、このリングが残っている事によって、
女王が生きた時を感じることができるし、
その女王がその当時のイギリスのファッション
をリードしていたのも分かります。
他のジュエリーと違い、個人的な意味合いが
強いリング(指輪)は、色々な事を伝えて
くれます。