私たちモリスはジュエリーのデザインについて
社内で度々、論議されます。
「何がモリスが採用するべき良いデザインなのか?」
「ルビーを最高に引き立てるデザインとは…」
そのルビーの個性、構想、つくりなど…を
突き詰めて行っても、最終的には導かれる
決定的なこたえは、ありません。
その理由は、デザインというものをどの様に
認識するか? というスタート地点によって
意見が分かれるからです。
ここに、とても参考になる文章があります。
本屋さんでよくかけるPen Books
「茶の湯デザイン」(木村宗慎先生監修)の
「はじめに」で登場する文章です。
本文より引用ここから)
「ユニバーサルデザイン」という単語が登場して
久しいが、ふたつの点で、極めて狭義の意味合い
で使われているようだ。
先ず第一に、モノ=プロダクトのデザインを指すに
留まっている。そもそも「デザイン」という言葉の語源
をご存じだろうか?「ディ.サイン=(de-sign)」
署名がない―つまり、どこの誰がつくったかわからない
が、誰もがみな知っている―そのような造形を、
はたまた状況を指したものだ。現在、我々の生活を
彩るモダンなプロダクトのみが「デザイン」ではない。
第二に、ユニバーサルといっても、健常者と障害者
高齢者や幼年の区別をなくすことを意味し、時代や
国といった人と人、モノとモノ、あるいは、モノと人を
分かつあらゆる障害を乗り越えて普遍的である…
という強い意味で使われているのではない。
世間を見渡すと、単なる今日的工業生産品を指す
狭義の意味ではなく、広義の本来的なユニバーサル
デザインが、実は随所に存在している。時代の波に
洗われながらも、消え去ることなく洗練の度を増し、
政治的にも、文化的にも国境を越えて、人の心の
琴線を打ち震わせる”美”。
日本にもいくつかのこされたそんなユニバーサル
デザインのひとつが茶の湯だ。
千利休に代表はされても、実際には武将、職人、
商人など、身分や時代、貧富の垣根を超越して
多くの日本人の手で編み上げられた茶の湯には
”伝統”のひと言では語り切れない魅力がある…
(引用ここまで)
この様に、ジュエリーデザインというものが、
プロダクトデザインを指すモノではなく、
それを取り巻く文化的背景も影響するとしたら…
やらなければならない事が、山のようにあるという
ことです。
…となるとモリスが送り出したデザイン、いや問いかけ
があるとしたら、原産地で頑張るスタッフの祈りの
こもった原石、スタッフが一生懸命に探したルビー
の方が、たくさんあって市場で売りに出ているモノより
宝石らしいのではないか…ということでしょうか?
勿論、まだこたえは出ていませんが。

社内で度々、論議されます。
「何がモリスが採用するべき良いデザインなのか?」
「ルビーを最高に引き立てるデザインとは…」
そのルビーの個性、構想、つくりなど…を
突き詰めて行っても、最終的には導かれる
決定的なこたえは、ありません。
その理由は、デザインというものをどの様に
認識するか? というスタート地点によって
意見が分かれるからです。
ここに、とても参考になる文章があります。
本屋さんでよくかけるPen Books
「茶の湯デザイン」(木村宗慎先生監修)の
「はじめに」で登場する文章です。
本文より引用ここから)
「ユニバーサルデザイン」という単語が登場して
久しいが、ふたつの点で、極めて狭義の意味合い
で使われているようだ。
先ず第一に、モノ=プロダクトのデザインを指すに
留まっている。そもそも「デザイン」という言葉の語源
をご存じだろうか?「ディ.サイン=(de-sign)」
署名がない―つまり、どこの誰がつくったかわからない
が、誰もがみな知っている―そのような造形を、
はたまた状況を指したものだ。現在、我々の生活を
彩るモダンなプロダクトのみが「デザイン」ではない。
第二に、ユニバーサルといっても、健常者と障害者
高齢者や幼年の区別をなくすことを意味し、時代や
国といった人と人、モノとモノ、あるいは、モノと人を
分かつあらゆる障害を乗り越えて普遍的である…
という強い意味で使われているのではない。
世間を見渡すと、単なる今日的工業生産品を指す
狭義の意味ではなく、広義の本来的なユニバーサル
デザインが、実は随所に存在している。時代の波に
洗われながらも、消え去ることなく洗練の度を増し、
政治的にも、文化的にも国境を越えて、人の心の
琴線を打ち震わせる”美”。
日本にもいくつかのこされたそんなユニバーサル
デザインのひとつが茶の湯だ。
千利休に代表はされても、実際には武将、職人、
商人など、身分や時代、貧富の垣根を超越して
多くの日本人の手で編み上げられた茶の湯には
”伝統”のひと言では語り切れない魅力がある…
(引用ここまで)
この様に、ジュエリーデザインというものが、
プロダクトデザインを指すモノではなく、
それを取り巻く文化的背景も影響するとしたら…
やらなければならない事が、山のようにあるという
ことです。
…となるとモリスが送り出したデザイン、いや問いかけ
があるとしたら、原産地で頑張るスタッフの祈りの
こもった原石、スタッフが一生懸命に探したルビー
の方が、たくさんあって市場で売りに出ているモノより
宝石らしいのではないか…ということでしょうか?
勿論、まだこたえは出ていませんが。
