先ほどご紹介したヴィクトリア女王のルビーは

(スピネルを除いて)ミャンマー産の無処理で

美しいものだと推測します。

何故なら、この時期にイギリスはビルマ国王

(現ミャンマー)と契約してルビーの鉱山の

採掘権を取得しています。

フランスもドイツもこの採掘権を取りたかった

ようで、フランスなんかは在仏ビルマ大使と

ルビーの採掘権をフランスで同時期に取得、

大変もめたそうです。

1888年からビルマルビーを採掘する会社が

設立されましたので、その後の20年間は

多くのヴィクトリアンスタイルのジュエリーに

ビルマ産のルビーが使われました。

フランスのベルヌイ博士が人工合成ルビー

を発明して恐ろしいことが起こりました。

1904年のことです。

人工合成ルビーがビルマ産のルビーよりも

高く取引されたのです。いまは人工合成石

は希少性が高くないので宝石としての値段は

ありませんが、その当時のショックは大きかっ

たのでしょう。 なにせ、宝石は人が作れると

思ったのですから。。。

そしてそれから約100年。。人工合成ルビー

は、1ctを数百円で買えるようになりました。

人が作れるものは宝石としての希少性がない

ことが分かったからです。

そして最近では、処理をしないと美しさに欠け

る原石を人工的に処理をして美しさを改良する

技術が発達してきました。

私たちモリスが天然無処理で美しいものしか

宝石として認識しないのは、何百年という長い

時間の中で宝物としての価値を維持するのが

宝石ルビーだと思うからです。

合成ルビーを使って豪華なつくりをした

アンティークジュエリーを見て、

人は同じことを繰り返すのだな~と。

少し残念に思いました。

無処理のルビーが上手に使われている

アンティークジュエリーを見つけると、変わらない

ルビーの価値を誇らしく感じます。

ルビー社長☆森孝仁 presents ルビーの森|ルビーで世界的ハイエンドジュエリーブランドを創造する社長のブログ-ヴィクトリア