「 隣の芝生、他山の石 」
梅雨明けと同時に、連日猛暑日が続き、現場作業をするわれわれには厳しい季節がやって来ました。
ここ数年、毎年思うのですが、年々夏の日差しが強くなっているような気がしてなりません。また、夕立の雨の激しさも、各地でゲリラ豪雨の報道がありますように、年々激しさを増してきているなと実感しております。
測量作業中、道路が冠水する程の激しい夕立によって、やむなく作業を中止して帰ったことも何度かありました。
少々の雨ニハマケズ、されど大雨ニハカナワズ・・・。
以前は、身の危険を感じるほどの雨など、そうはなかったのですが。
ロシアやドイツでは、今年の6,7月は130年ぶりの記録的な猛暑だそうです。
毎年、どこかの国で異常気象が伝えられます。
明らかに、気候が「 変 」になってきています。
地球温暖化対策。CO2削減。エコ。
これらの対策が、今後ますます重要となるのは間違いないことなのでしょう。
しかし一方では、新興国での市場開拓に躍起になり、結果として生じる都市化の拡大。
耳に優しい言葉と、現実の経済活動がどうしても矛盾してしまいます。
難しい課題です。
モリソクとて、「 開発 」にぶらさがって口に糊して参りました。
まだ、到底、海外進出を目論むほどの会社ではないですが。
2年前になりますが、スペインのバルセロナを旅行し、サクラダ・ファミリアを見てきました。
その威容と存在感に圧倒され、かねてからの念願でもあったので、大変感激いたしました。
北、東、西、それぞれのファサードの趣が全く異なるのは、そもそもガウディの設計図が残っておらず、職人の伝承によって工事が引き継がれてきた事や、100年以上の歳月をかけ、何人もの職人が携わった事で、その時代時代の解釈、思いの表現が異なるゆえであろうと勝手に解釈しております。
またそこに、この聖堂の面白さを感じています。
サクラダ・ファミリアは、1882年の着工から120年以上が経過してなお、まだ全体の3分の1程度ができているに過ぎません。完成するのは、100年後とも200年後とも言われていますが、本当のところは誰にもわからないのでしょう。
実際には、現在の建築技術をもってすれば、あと数年もあれば完成できるのでしょうが。
ただ、サクラダ・ファミリアの建築とは、「 完成 」が目的ではないのだと思うのです。
建築に何百年とかかった大聖堂は他にいくつもあるのでしょうが、今、この現代でなお、そのペースで建築中であることにサクラダ・ファミリアの価値があると思います。
財源は観光料と寄付のみで賄われているそうです。予算も工期も、「 なるようになる 」でよいのでしょう。
サクラダ・ファミリアに携わる、あらゆる人々にとって、生涯をかけた仕事であり続け、それが何代にもわたって引き継がれていく。それこそがこの大聖堂建築の意義なのだと思うのです。
こんな事業、現在そうあるものではないと思います。間違いなく、あと100年でも、200年でも続いていくでしょう。
いつまでも続いていきそうな、とても「 自然 」な在り方をしていると思いますから。
アントニオ・ガウディ没後100周年目の2027年を完成目標としている、という記事もありますが、これからも、このままのペースで、2027年になっても「 ほどほどに進んだかな 」くらいであってほしいです。
ぼちぼち いきまひょ。
サッカー・ワールドカップ。
スペイン代表が、見事初優勝を飾りました。さらに、今大会で一番美しいサッカーを見せてくれたのもスペイン代表でした。
これまでもすばらしい選手を揃えながら、W杯や欧州杯で勝てなかったスペイン代表。
その代表がなかなか優勝できない事について、スペイン人の友人は、やはり、歴史的にも、そして現在でも、国内が決して一枚岩にまとまってはいない国の事情があるから、だから優勝までたどり着けないんだと言っていました。
でもついに、一昨年の欧州杯に続き、W杯でも優勝しました。
見ていて楽しいサッカーで勝った、という今大会のスペイン代表。すばらしかったと思います。
そして、日本代表。
ほとんど誰も期待していなかった!!なかで、よく健闘したと思います。
戦術によってはかなり、世界でも戦えるようになってきた事を見せてくれました。
でも、あともう少しの差。あと1点の差をつめていくのが、本当に難しい、時間のかかる道のりであるはずです。
1993年。W杯地区予選最終戦。あのドーハの悲劇の試合後のインタビューで、カズは、
世界に勝つために、日本代表には何が足りなかったのか?と問われこう答えました。
「 日本サッカーの歴史が足りなかった 」と。
あれから18年。やっと18年。まだまだ「 歴史 」とは言えません。これからです。
日本のJリーグは百年構想を掲げています。いつの日か、日本のサッカーがスペインに肩を並べるその日まで、気長に待つ事にしましょう。
さて、モリソクは創立60年。山も谷も経験して参りました。先の見通しを立てるのが難しい時代ではありますが、まずは新しいスタートのこの1年。そしてまた次の1年。
1年1年を大切に積み重ねていこうと思います。
それから・・・ ¡enhorabuena! Alex !!
「 雨ニモマケズ 風ニモマケズ 」
さて、今回が初めての記事となりますので、簡単に自己紹介させていただきます。
私、森村次朗は今年3月より森村測量設計株式会社代表取締役に就任いたしました。
写真でご覧のとおりの若輩者でありますが、3月に先代社長森村忠史(父)が他界し、その任を継ぐ事となりました。急な事であり、機が熟してからの就任とはいかず、まだまだ勉強中の身ですから、不安は多々ありますが、これも運命と考え(諦め)、無我夢中の日々を送っております。
そんな毎日ですが、社長就任以降、大変有り難い事に、多くの方々から温かい励まし、ご指導を頂戴し、何とか今日に至っております。皆さま本当にありがとうございます。
現在、われわれの業界を取り巻く環境は大変厳しく、景気低迷、公共事業削減による受注減少は深刻な状況となっております。まさに、雨、風、雪、夏の暑さの最中にあるように思います。
「 雨ニモマケズ 風ニモマケズ 雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ 丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク 決シテ瞋ラズ イツモシヅカニワラツテイル・・・」
欲もあり、怒ることも多々あり、いつも静かに笑っていることもできませんが、しかし、たとえそんな中でも、決してクサらず、前を見据え、この仕事への誇りを失うことなく、最善を尽くして乗り越えていきたいと考えております。
なんとも堅苦しい挨拶になってしましましたが、次回からはもうちょっと肩の力をぬいて、気楽にお読みいただけるものを書いていこうと思います。
皆様、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。