イケアはなぜ「理念」で業績を伸ばせるのか(PHP文庫)
立野井一恵著 《フリーライター》
昨年、東海地区で初出店となるイケア長久手がオープンしました。日本では2006年に千葉県の船橋
に進出して、既に日本各地に9店舗ありますが、名古屋まで来るのに11年かかりました。安いけど高
品質で組立式の家具で定評があり、コストコのような格安のレストランが店内にあります。
「スウェーデンで生まれたイケアでは、コワーカーたちは創業者の生んだ企業理念に共感できること
を条件に採用される。そして皆がその理念・ 理想を何より重んじ、その理想にのっとった経営方針を、
世界26カ国で貫いている。」
理念に共感した人だけを採用してくので、イケアのHPの採用コーナーには、社風適性クイズがあって、
それに答えていくと「イケアで働く準備はOKですか?」と歓迎メッセージが出ることもあれば、「従業員
としてでなくお客様としてイケアに関わるほうがようですね」とやんわりお断りのメッセージが出てくる
とのこと。外資はストレートですね。
パートも社員も同一労働同一賃金ですが、そのかわりパートは働く時間が契約で厳格に決められてお
り、能力が認められるとフルタイムに昇進できますが、認められなければ、短時間のパートのままとい
う厳しい職場です。ただ、社内保育所が設置されているなど、女性にとって働きやすい職場のようです。
働いている人の過去のキャリアを見てると、海外生活の経験があったり、もともと海外で働きたい方が
入社されているようで、英語力には長けている感じです。
イケアの理念を基に働く社員の様子も描かれていますが、ノンフィクションでなく、イケア広報の協力の
もとのPR本って感じもします。ただ、日本の会社と全く違った北欧流の働き方を知る好著でした。
立野井一恵著 《フリーライター》
イケアはなぜ「理念」で業績を伸ばせるのか(PHP文庫)