東京都内では一日50件の変死体が発見される 死体は検視や解剖を通してその死の原因を雄弁に語る 現在監察医の制度があるのは東京・横浜・名古屋・大阪・神戸の5都市
《関東中央監察医務院》篠宮葉月（高島礼子）、坂巻仁美（北川弘美）、岡耕介（中村靖日）、畑総一郎（金田明夫）（監察医長）
葉月がいないとき、監察医長の畑はいやいやながら現場に出る そのやる気のなさに、坂巻仁美が抗議する
篠宮葉月は、元城北署長の蜂須賀芳樹（小野武彦）と長野県に来ている
長野県で警察学校の講師をしていた仙道篤志（地井武男）が死んだ、との連絡を受け弔問に来た
娘のみゆき（伊倉愛美）は語る “父から、49日が過ぎたら知らせてくれと言われていた” “水臭い”、という蜂須賀、
“ベッドに寝てる姿見せたくない”、と仙堂は言っていたと言う
みゆきは二人を、バイト先のカフェ「デザートムーン」に案内し、店主の望月敦子（とよた真帆）を紹介する そこには仙道が描いた水彩画が何点か飾られていた
敦子の息子 一彦（柳下大）がやってきた 警察学校の生徒で仙道の最後の生徒、みゆきとつきあっているようだ
東京、野々村剛（菊池均也）のマンション、家政婦の谷美佐江（ふくまつみ）がチャイムを鳴らすが返事がない 中に入り探す
■野々村が浴槽で死んでいる
医務院では葉月が持ってきたみやげのコーヒーを淹れ飲もうとしたとき連絡、葉月、仁美、岡の3人が出動する
野々村剛48歳、一人暮らし
検視はリビングで行う、と葉月
左上腹部に陳旧性手術縫合瘢痕、左脇に直径7㎜の火傷様紫赤色調皮膚変色二つ
目立った外傷はないがアルコールの臭いが強い
野々村は大手家具メーカーの社長、医務院に顧問弁護士の富山孝作（中丸新将）がきている 事件性があるのかを気にしているようだ
解剖、腹部からペースメーカー、ずいぶん深く埋めている
“心不全の可能性はあるが気になる点がある”、と捜査一課の風間亮介（細川茂樹）に説明する葉月
アルコールをかなり飲んだ後に入浴しているが、ペースメーカーを入れている人はそのようなことを避けるはず、さらに左脇の二つの小さな傷、何かが変だと思う
岡が、ペースメーカーを調べた結果を持ってきた
“このご遺体、殺されている”、と葉月
警視庁城北署、「豊島区野々村家具社長殺人事件捜査本部」
永瀬警部（六平直政）が、葉月に殺人であるという根拠の説明を求める
被害者は感電死している 酩酊状態で浴槽に入れられそこに電流を流されている 胃からは大量のアルコールを検出、電流を流すときコードの先端が皮膚に触れ火傷を負い電流斑が残った ペースメーカーからは通電による故障の痕跡が発見された
《死亡推定時刻の説明》
角膜透明混濁なし、死後硬直全身関節強度に発現、直腸内温度32℃、死斑は指で押すとすぐに色が変化、40℃のお湯で入浴していることを勘案し、検視時13時間経過
城北署の浅野慎治（六角慎司）が繰り返し質問し自問自答するのを見た永瀬は、浅野を風間と組ませることにした
長野、望月敦子が野々村殺害の記事を心配そうな顔をして読んでいる
風間と浅野は野々村家具へ、野々村家具は従業員235名、30年前長野県で設立、その後東京に進出、剛は二代目の社長だった
副社長の竹中恭介（阿南健治）と顧問弁護士の富山が応対する
創業者の先代社長 野々村一郎（野村昇史）は2年半前に亡くなった この結果、創業者の血縁者は一人もいなくなった
実際の経営は副社長と安田専務（阪田マサノブ）に任せていた、と弁護士、後継者争いは、叩き上げの竹中と銀行から送り込まれた安田専務
親しくしていた女性、銀座に行きつけのクラブがあった
クラブ「SPADE」、ママ（今井あずさ）の話、親しくしていた女性、
“今はサラちゃん”
本名は井坂真美（阪田瑞穂）、“今は”、“本当は、銀座では同じ店で付き合う子を変えるのはご法度”、とママ 前の子は2年前に店を辞めた 真美は一昨日から休暇を取り沖縄へ
野々村と真美には別れ話が出ていた
浅野が得てきた情報、野々村は先週トラブルを起こしていた 女性と口論になりその腕を掴んだ その女性は望月敦子だった
1週間前、敦子と野々村は長野で会っていた トラブルの内容については話したくない、と敦子
葉月が「キッチン三上」に来ている 蜂須賀、マスターの元鑑識 三上良一（西田健）と3人で事件の話、野々村の父親も浴室で死んでいた、と蜂須賀、“心不全とされたが仙道はその検視に疑問を持ち、解剖しろって言ったそうだよ”
そこに風間と浅野も合流する
葬儀に井坂真美がやってきて、“私のお腹には剛さんの赤ちゃんがいる”、と爆弾発言する 顧問弁護士の富山が対応する
富山が望月一彦にアプローチする
富山の話、
あなたのお父さんのことで話がある 野々村一郎が父親です あなたのお母さんは23年前野々村家具の経理部にいた
敦子は、一彦に父親のことを明かしたことがなかった
一彦は、みゆきと葉月を訪ねてきて、DNA鑑定で野々村一郎との間の親子関係を調べて欲しい、と依頼する 一郎の毛髪は弁護士が持っていた 葉月は引き受ける
茅野東署へ風間と浅野、検視官の青木（小久保丈二）に会い、野々村一郎の検視報告書を入手し葉月に見せる
葉月は死斑の色から、心不全ではなく低体温、凍死と推定
現場の別荘で、浴槽は遠隔操作できることを確認し、例えば15℃の水だと30分で凍死するので、凍死後に遠隔操作で湯温を上げたのではないか、と推理する
富山は敦子に死後認知請求を勧めている 期限の3年が迫っている
敦子は、相手の家族を思って身を引き、自分一人で育てていたことを葉月に語る
■富山が殺され、現場にいた望月敦子46歳が逮捕された
無理やり死後認知を迫られたので殺した、と言うが、風間は、敦子が返り血を全く浴びていないことに違和感を持つ
富山の解剖結果、ナイフを刺した人物と抜いた人物は別人、と葉月 さらに、喉の奥から異物を採取、木屑とニスの付着した軍手の繊維だった
敦子は一彦が殺したと思い庇おうとしているが、犯人は家具職人、軍手で戸山の口を塞いで刺した
犯人は副社長の竹中と井坂真美だった
真美のお腹の子供は竹中の子だったが、偽の毛髪を用意して鑑定させようとした
しかし富山が本物の頭髪を持っていたため殺し、その罪を一彦に着せようとした
自殺に見せかけて一彦を殺そうとする竹中と真美、そこに風間と浅野、一彦を救出する
富山は先代に忠実な男だった
《感想》先代を殺したのが誰か、見逃してしまった→剛だったようだが、竹中と真美がグルだったというストーリーになじめなかった 園田（乃木涼介）の役割もスッキリしなかった
《参考》シリーズのリスト