浅見光彦シリーズ9 斎王の葬列 1999 フジTV 第二版 | moris11のブログ

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尋常性乾癬と約20年共生している
2014年12月より糖質制限開始
HbA1C改善、ダイエット
2015年3月一杯で給与生活リタイア
フリーター生活に入り、これが性に合っていたことに気付く
月平均で万歩/日確保
悩んだら歩く、とにかく歩く
2015.12.10改訂

1965年初夏、夜、雷雨、御古址(おこし)の森、狐火
しめ縄、紙の人形代(ひとかたしろ)を巻いた木の下、穴を掘る二人、覗いている男がいる
二人は木製の人形代を掘り出した


■男が死んでいる 糸を結んだ蟹がいる “蟹を使って賽銭泥棒をしていた”、と死者を罵る人々


「旅と歴史」に、“神に嫁いだひめみこ達”、というタイトルで紀行文を書くために伊勢地方に取材に来ている浅見光彦(榎木孝明)


畑の畦道に看板、「よみがえるひめみこ達の物語 国史跡 斎宮跡」


発掘作業をしている土山町文化財調査員会、文芸員の久米美佐子(島崎路子)と挨拶を交わす光彦 発掘作業を指導しているのは顧問の望田(井原啓介)


斎宮の広さは約140ヘクタール、東京ドームの30倍の広さ、1325年前、天武天皇のひめみこが、天照大神の名代として、ここ斎宮に遣わされ、天皇の代わりに祭事に奉仕したのが斎王の始まり、と望田が説明する


斎宮歴史博物館へ光彦を案内する美佐子、紹介ビデオを見る


七世紀後半から南北朝時代にわたる約660年間、朝廷では歴代天皇の名代として伊勢神宮の祭祀を司る「斎王」制度が設けられていた その斎王には、占いにより未婚の皇女(ひめみこ)・女王が選ばれた


美佐子に急用ができ博物館で別れる 壁画を見ている美女に目が留まる 美女も光彦を見返す


翌日、伊勢路を京都方面に向かう光彦、史跡「垂水頓宮址」に美佐子、木にしめ縄、紙の人形代の下で望田がパナマ帽を被った男と何か話している 漏れ聞こえて来た言葉、“呪い殺す気か” 思わず姿を隠す美佐子 再び覗くといなくなっていた 後ろから肩を叩かれビクッとする美佐子(と筆者) 光彦だった 怪しい風が吹いている


道の駅「あいの土山」でコーヒーを飲む二人、頓宮とは斎王が宿泊した仮の宮、光彦は、斎王に悲劇のヒロインのようなイメージしか湧かない、と言い、美佐子は、若い女性が世間から隔離されて生きていくことの過酷さ、と共感する
光彦が会計している時、美佐子に声を掛ける男がいる “長屋さん”、と美佐子


長屋明正(近童弐吉)は、御古址の森=垂水頓宮址で望田とパナマ帽の男が話していた内容を知りたがる “呪い殺す、とかなんとか”、と美佐子 長屋がほくそ笑む


映画のロケをしている一行、そこにパナマ帽の男、“喬木さん”、監督の男が挨拶する
そこに光彦、“白井”、と呼びかける 二人は知り合いのようだ
劇団「東京ユニコーン」、映画を撮っている 古代幻想ロマン「斎王の葬列」~我が儚き想い~
一緒に弁当を食べている白井(梨本謙次郎)と光彦、そこに昨日壁画を見ていた女性が声を掛ける、“浅見さん”、驚く光彦 光彦は思い出せない 8年前にお世話になった、と言う
主演女優の小宮山佳鈴(高橋かおり)だった


三重県鳥羽市、ホテルで宴会、白井が光彦を紹介する “高校時代からの友人でフリーのルポライターをしている浅見光彦”


光彦は、「斎王の葬列」というタイトルが好きではない 不吉なイメージを与える ”斎王の行列じゃ絵にならないだろう“、と白井は笑い飛ばす
宴会に長屋がやってきた 長屋は元劇団員、不快感を示すものもいたが、ビールの差し入れに機嫌を直す 長屋は佳鈴に近づくが、明日、早くから撮影があると言って席を立つ
二次会、バー、長屋がやってきた 22時、白井が皆を引き揚げさせる 明日も撮影がある 長屋は一人残り、電話を受ける


翌日、ロケ、斎王の行列、斎王が別れて来た恋人を思うシーン


■三瀬谷ダム、パトカー ダムに死体が浮かんでいた
所持品の名刺、株式会社甲東木材専務 長屋明正
母親の富子(松金よね子)と祖母のトメ(山口夏穂)が遺体確認にやってきた “祟りや、御古址の森の祟りや”、とトメ 鳥羽署の江間(でんでん)と藪(青島健介)、呆気にとられる


ロケ現場に刑事、長屋が三瀬谷ダムに浮かんでいるのが今朝発見された 10時半の検視時点で10時間経過していたことを説明する


白井の事情聴取、長屋が劇団を辞めててから6年近くになる ロケ地の交渉、ホテルを格安で予約など長屋がやってくれた
江間刑事は、劇団員の怨恨を視野に入れている 長屋が劇団を辞めた時在籍していたメンバー6人から事情聴取する その中に、小宮山佳鈴とマネージャーの塚越綾子(河合亜美)がいた
支配人は、22時15分頃、長屋が一人で出て行くのを見ていた、と藪刑事が江間に報告する


光彦が長屋宅を訪ね、線香を上げ、母親の富子から話を聞く 富子は劇団のことを嫌っているようだ 撮影を見に行くと聞いて嫌な気がした 斎王さんにはあまり触らん方がええ、と言われている 前の日明正は、森に追いかけられる夢を見た、と言っていた
明正は御古址の森に悪さをしたのではないか、明正が御古址の森を掘り返していた、という人がいた


富子は光彦を土蔵に案内する 明正が大事にしていて母親にも入らせなかったと言う 木製の人形代が沢山ある これと同じものが明正の車にあった、と刑事が言っていた 人形代に触ろうとする光彦を祖母のトメが止める “御古址の森の祟りが起きるぞ”


ホテルの一室に佳鈴、白井、光彦の三人、佳鈴が告白する
6年前、長屋は佳鈴にプロポーズした 高校を卒業して3年、芝居を続けるかに悩んで長屋に相談した それを長屋は勘違いしたのかもしれない
佳鈴はOKした しかし長屋は断ってきた “どうして”、と光彦 “もう愛情が無くなった”、と言って
佳鈴の祖父が、長屋の身辺をいろいろ調べていたことを長屋が知ったことが原因ではないか、と佳鈴は思っている
何故長屋は諦めなければならなかったのか、光彦は考え込む


マネージャーの塚越綾子が19時頃からいない
風呂上がり、光彦と佳鈴が出会い、少し歩く 0時前だった
怪しい人影、そして女性の悲鳴
皆で付近を探すが、何も見つからない 諦めて中断 明日、ひょっこり帰ってくるかもしれない


■朝、道具を運搬するトラック、塚越綾子の死体、傍らに人形代
木製の人形代は小道具ではない ロケでは紙製のを使っている


刑事の事情聴取に何かと口を出す光彦を、江間は署に連行する 人形代のことに詳しい光彦、光彦が置いた、と責める江間、“何が目的で置いた” “そうですよね”、と光彦 藪が江間を呼ぶ ここでいつものコント 光彦の兄は警察庁刑事局長


光彦は土山町立図書館・歴史民俗資料館を訪ね、34年前に御古址の森で起きた事件のことを尋ねる


光彦は再び長屋宅へ、富子に、長屋が昭和40年生まれであることを確認する そこに父親の健三(西田健)、色々調べられたくないようだ
帰り際、長屋が結婚しなかった理由を富子に聞く 健三は光彦を追い返す


長屋が人形代を盗掘したのではないか、と問う光彦に、望田は不快感をあらわにする


塚越綾子の死因は頭蓋骨骨折による脳挫傷、首には索状痕があった、と江間が光彦に伝える 人形代には指紋が残されていなかった 死亡推定時刻は22-0時、光彦と佳鈴が悲鳴を聞いたのが23時57分


綾子の母親 民子(中原早苗)の話、最後に話したのは三日前、近々いいことがあると言っていた 古くなった家を建て直す、と言っていた


光彦は、劇団のスポンサーである喬栄建設社長の喬木英一(清水章吾)について白井に聞く
今回の映画に2億出資している 出資者にどんなメリットがあるのか
そこに喬木がやってきた 光彦が質問する 2億出資の話を取りまとめたのは塚越綾子なのか 綾子を誉める喬木


白井の記憶では喬木が芝居を見に来たのは一度だけ、それなのに何故大金を出すのか


光彦は久米美佐子に確認する 四日前、望田が会っていた男の特徴、実業家タイプ、パナマ帽を被っていた 喬木のようだ


佳鈴は、長屋が死んだとき、身内の誰かが亡くなったような気がしたと言う


ホテルで喬木と会う光彦、劇団のスポンサーになった理由を聞く
佳鈴のパトロンなのではないか、と光彦、即座に否定する喬木
“彼女は小宮山家のお嬢さんですからね”、と言って去る
喬木は何を言おうとしたのだろう


綾子は劇団のマネージャーになる前、会計事務所に勤めていた、と履歴書にあった しかし、そのような事務所はないことが明らかになった
綾子が住んでいた青山のマンション、母親の民子が来て片付けていた 民子に確認する 劇団の前は喬栄建設で働いていた 転職した理由は聞いていない
綾子は毎月5万円仕送りしてくれていた、と涙ぐむ民子


何故、薄給の劇団マネージャーが青山のマンションに住み、5万円の仕送りができたのか
PCを調べさせてもらう Osamu Yagisawaからのメール、お金の無心だった


佳鈴が浅見邸を訪ねて来た 母の雪江(野際陽子)がしゃしゃり出てきて光彦は頭を抱える 佳鈴は、祖父の夏岡総一郎のことなどを光彦に説明する


光彦は喬栄建設を訪ね、綾子は喬木のスパイだった、と決めつける
喬木は語る 夏岡総一郎は大恩人、頼まれた佳鈴を応援するために劇団に資金援助し経営を安定させるために綾子を送り込んだ
綾子は秘密を掴んだのではないか、と光彦 “下衆の勘繰りだ”、と喬木
光彦は再び長屋宅へ、富子に、明正が結婚を諦めた真の理由を聞く
明正は、二人の実の子ではなかった 明正は28の時まで知らずに育った 健三に言い含められて結婚を諦めた 6年前、破談の件で小宮山家と話し合ったのは健三、“小宮山家側は喬木、それとも夏岡”、と光彦が聞く
富子は、“夏岡”、と口に出した後、突然沈黙、怯えをみせる
トメがでてきた “すべてはあの日の祟りや”
光彦が土蔵へ、寿と書いた桐箱、中に指輪とへその緒、ふたの裏に、“明正 昭和40年4月14日” 指輪に刻印 YORIKO


兄の陽一郎(西岡徳馬)が伊勢にやってきた 喬栄建設のことを調べ光彦に伝える
喬木英一、旧姓三浦は33年前に養子に入った 喬木は苦学生で、学生時代は夏岡家で住み込みの雑事をしていた 卒業後は引き続き秘書をしていたが、それが突然、34年前、夏岡家からいなくなった 1年後、喬木家の養子になった 媒酌人は夏岡総一郎
劇団への出資金は全て喬木の私財


長屋の墓前に佳鈴、明日から撮影再開が決まり報告に来た
40年前の写真を持ってきていた 佳鈴とそっくりの母 頼子、祖父の夏岡総一郎、喬木に似ている学生


光彦が長屋健三を訪ね、34年前の野元元治(広田正光)の死について語る 喬木もやってきた
あの夜、あなたは御古址の森にいた 富子さんは34年前、東京の夏岡家でお手伝いさんをしていた あなたは夏岡の経営する木材屋で修行中だった あの事件の前の日、あなたと富子さんは男の赤ん坊を抱いてここに帰ってきた その見返りに、夏岡さんは甲東木材の支援を約束した あなたと喬木さんは、明正の真の親が誰かを示す品物を禁断の御古址の森に埋めた
35年前の夏、喬木(三浦)英一と佳鈴の母 頼子は愛し合うようになった しかし夏岡は二人を引き離し、頼子を留学させ、英一を喬木紀子と結婚させた 頼子が妊娠していることがわかり、帰国して出産、それが明正 それを長屋が引き取り実子として育てた
頼子には、死産と嘘をついた 2年後頼子は小宮山道朗と結婚し佳鈴を産んだ
健三は、明正の決意が固かったため、二人が兄妹であることを伝えた
塚越綾子は、年下の男との結婚を望み、法外な慰謝料を求めて来た 佳鈴と長屋が兄妹である秘密を週刊誌に売ると言ってきたので殺した 喬木のアリバイ作り、健三も協力した
悲鳴は録音だった
喬木は明正が佳鈴に危害を加えようとしているのではないか、と誤解し殺してしまった
喬木は罪を認め、事故を装って自殺する

 

34年前の事件は、二人が掘り出した人形代を奪おうとした野元を殺してしまった、と言うことのようだ

 

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