パティシエ教室に参加している小山内夕香（羽田美智子）、年上の女性が声を掛けてくる 卵を割る指先、黒く汚れている
爆発、厨房、てきぱき指示する夕香、女性が驚く
捜査一課の城戸（石黒賢）、港（山崎樹範）臨場
■人が亡くなっている
森アキ（高橋しゅり）22歳、パティシエール
科捜研物理担当の猪瀬（西岡竜一朗）が爆発原因を調査
壁にベタベタした物質、焦げた紙片、コーンスターチ
粉塵爆発が起きたようだ しかし、刺殺痕があった 事故ではなく殺人事件
被害者は経済的にかなり追い詰められていた カード破産寸前だった
致命傷は腹部の刺し傷、凶器はデータベースにないもの
彫刻刀、鏨、ノミなどに似ているが違う、と猪瀬
“篆刻刀は”、と夕香 15㎜平刀、プロの篆刻家が使うものだった
事件の時、店に篆刻家がいた 田中島洋平（宮本大誠）37歳
城戸と夕香が田中島を訪ねる 協力的でない田中島、15㎜平刀は持っていない、と言う しかし、殺しだったことは知っていた マスコミに公表していないにもかかわらず
作品から、15㎜平刀を持っているかを調べる夕香、やはり使っている
翌日、城戸と夕香、再訪 返事がない、裏に回る
■仕事部屋で田中島が死んでいた 胸に篆刻刀が刺さっている 指紋は出なかった 顔に文字のようなものがある 右手掌に7本の傷
レストラン、田中島は常連客と一緒に来ていた 槙原真理子（筒井真理子）、ギャラリー経営者、爆発の1週間前、2人は言い争いをしていた
夕香は、田中島の顔に残された文字のようなものを分析し、転写した文字、“節”、であることを突き止める しかし現場には無かった 犯人が持ち去った
槙原真理子の事情聴取、アリバイ無し
夕香は、パティシエ教室で知り合った佐伯節子（大塚良重）を訪ねる 夫は書道家の佐伯晃（清水紘治）、仲睦まじい夫婦だった
佐伯の落款は田中島の作品だった
田中島は貸金庫に掛け軸を保管していた 何故こんなものを、と城戸
“心外無別法” 真壁定咸 夕香は、その価値を知っていた 1000万円
田中島が、槙原真理子のギャラリーの倉庫から持ち出したものだった
真理子は気付かなかった、と言う
夕香はその書を鑑定した 化学分析は矢野玲子（西尾まり）が担当
贋作だった 紅茶が古色付けに使われていた
生活安全部が動き出した 担当は渡部刑事（榊英雄）、真理子の奪い合いをする城戸と渡部
ギャラリーからの押収品、贋作の他、真作の中には盗品もあった
生活安全部は、槙原真理子を泳がせ、根こそぎ逮捕を狙っている
田中島が隠し持っていた贋作、筆跡鑑定の結果、佐伯の筆跡と一致した
佐伯は告白する 15年前、美術評論家を名乗る男に依頼されてやってしまった 生活が苦しく魔が差した この男は5年前贋作売買で捕まっている 何故槙原真理子が持っていたのかはわからない
槙原真理子は、無名だった佐伯を見出したのは自分だ、と考えている
佐伯の田中島殺しのアリバイは夕香が証明した 寺から依頼された般若心経、250文字以上、巻物を送るために必要な時間、文字を書く、そして乾燥させる 筆文字の時間性、早く書けばかすれる、ゆっくり書けば滲む 佐伯のアリバイは証明された
妻の節子が夕香を訪ねてきた 無罪放免を喜ぶ節子、落としていった栞、“夷険一節”、順境、逆境に振り回されずに態度姿勢が一貫していること、“節”の文字、田中島の顔に転写されていた“節”、と一致 さらに、来庁者カード、佐伯節子の“節”も一致した
節子に事情を聞く 節子は、自分がやった、と告白する
節子は、佐伯が真理子に脅されているのを聞いてしまった 贋作のことだった
さらに、真理子と田中島が贋作のことで言い争っているのを聞いた 田中島が贋作を持っている
節子は田中島の仕事場を家探しした そこに戻ってきた田中島と揉み合いになり、転んだ田中島は頭を打った
しかし、死因は篆刻刀による刺殺、犯人は真理子だった
動かぬ証拠となったのは真理子のブレスレット、田中島の掌の傷、真理子のバッグにも同じ傷があった ブレスレットの鋭角部でついた傷だった そこから田中島のDNAも検出された
佐伯の弱みを握り、一方では贋作や盗品を扱って裏社会と取引していた真理子、森アキに電話を盗み聞きされ脅迫された 真理子は田中島に相談し、田中島が森アキを殺した
真理子が田中島を訪ねた時、田中島は気を失っていた 意識を取り戻した田中島を真理子が殺した 悪党の内輪もめのようだ
《参考》シリーズのリスト