■5月31日、仙台市青葉区、転落死
6月2日、警視庁、十津川警部(高橋英樹)に手紙、仙台の田中啓子から 夫の田中伸彦の葬儀に出席して欲しい
全く覚えがない人物、田中伸彦の遺言らしい 田中伸彦は、秋保グランドホテルの経営者だった 十津川は休暇をとって仙台へ、
仙台駅に近い斎場、受付に言伝があった 喪主の啓子、やはり見覚えなし
仙山線、愛子駅下車、タクシーで秋保温泉へ
女将の田中啓子(とよた真帆)登場、伸彦(田中健)はマンションの屋上から転落死した
闘病生活を送っていた伸彦、言い残したことがもう一つ、手帳を渡して欲しい 十津川は手帳を受け取り東京に戻る
新幹線の車内、手帳を読む 日々の出来事が書かれている 面会者、中にイニシャルでA.Kと記入されているものもある 女の苦しむ声、近くの座席、“バッグの中に薬”、介抱し席に戻る
警視庁に戻り、手帳が奪われたことに気付く あの時、芝居だったのか
■殺人事件、被害者は高見明(湯江健幸)45歳、昭和44年9月生、後頭部を鈍器で殴打されている レシート、今日、仙台にいたようだ 内ポケットに手帳の1ページ、例の手帳から切り取ったものに間違いない
第一発見者はダイイングメッセージを聞いていた “あ・お・ば”
高見の自宅を十津川と松山(宇梶剛士)が訪ねる 探偵事務所と兼用、女が出て来た あの女だった 高見と同居している 江口ゆき(遊井亮子)、大宮で下車していた
十津川と亀井(高田純次)は仙台へ
啓子に高見の写真を見せるが、何か隠しているような素振り、知らないと言う
宮城県警青葉中央署の木村(春田純一)と会う
“ガンの症状は相当進んでいた、自殺の可能性は高い”、と木村 “あの夫婦は仲の良いことで有名だった”
十津川は、自分を呼んだのは彼女の意志だ、と確信する
高見の部屋が爆発炎上する 張っていた松山と北条(山村紅葉)がゆきを救い出す 時限発火装置の残骸が見つかった ゆきは、手帳が高見から送られて来たこと、これは金になるから預かっていて欲しいと書かれていたことを明かす 手帳は職場の喫茶店に置いている
十津川は、二手に分かれて捜査を開始することにする 十津川、亀井、久保田(伴アンリ)、小林(佐藤正浩)、西本(森本レオ)は仙台へ、北条と松山は東京で“あおば”を当たる
田中夫妻は15年前に結婚、30歳と50歳の時、初婚同士
手帳に最も多く登場する県会議員の川西邦男(佐戸井けん太)に会う
葬儀の時、受付で見かけた男だった “後援会長というよりも親友だった”、と川西
“あの日は東京で中島(大浦龍宇一)さんに会った”、中島は建設会社の社長、手帳に登場する一人だった
西本は、3年前、ホテルを馘になった調理長がいたことを掴んだ 出入りの業者からリベートをとっていた 小島歩、A.Kだった
西本と亀井は国分町へ、“頼まれたって見舞いになんか行かない”、と居酒屋店主の児島(九十九一)、しかし、田中には隠し子がいる、と明かした その名は北村明子、A.Kだった
勾当台公園駅、十津川と亀井、鐘崎蒲鉾店へ、店員をしている北村明子(渋谷飛鳥)
“イニシャルで書かれているのは奥さんの啓子さんに遠慮したんだと思います、本当は父のホテルで働くはずだった、反対したのはあの人です、自殺したのもあの人の所為だと思う、もし殺されたのなら殺したのはあの女です”
フロントの山岸彩(朝倉あき)と外国人宿泊客のバックパッカーのカップルの逸話が挿入される 外国人客の第一号だという そして彩は、高見と女将さんが会っているのを見た、という
十津川と亀井は、松島にある母の墓参りに来ている啓子に問いただす 何故高見を知らないと言ったのか 啓子は一度だけ会った、と答える
啓子は川西に会いに行く “主人を殺したのはあなただったんですか”
■パトカー、橋の下、川西が車の中で死んでいる
県警の木村がホテルへ、川西が殺された件、夕べ川西を訪ねて来た啓子の事情聴取、十津川も同席する “私は川西を殺していない”
江口ゆきが警視庁を訪ねて来た “あおばで思い出したことがある あおばの仲間が仕事をくれた、と言っていた あおばは、昔、高見が住んでいた東京のアパートの名前かもしれない”
亀井は松島で啓子の過去を調べる 啓子は20歳の頃、青木という男と東京に出奔した 母一人子一人の親子、母親はその後病死した
北村明子は啓子にクレームをつけて来た 貰ったお金が少なすぎる 自分は田中の子供だ、との言い分に、啓子は、田中がDNA鑑定で、明子は自分の子ではないことを確認していたことを告げる 明子も母親に騙されていた
あおばという名の付いたアパートを探し回る松山と北条、なかなかヒットしない 目に留まった定食屋、あおば、見つかった 部屋を貸していたと言う 高見の写真、覚えていた そして集合写真があった いつもつるんでいた3人、高見、啓子、そして青木、その男こそ中島だった 青木は旧姓、中島家に婿入りした
《まとめ》事件の始まりは、クラブホステス 佐々木由紀奈(芹澤みづき)殺人事件、中島は容疑者の一人だった アリバイ証言をしたのが川西、中島と二人で田中の見舞いに行った、と証言した 啓子は、刑事に田中の手帳を示して、自殺する気配がないことを主張した 几帳面な田中、川西はその様子を見て、偽証に危機感を覚え中島に伝えたのだろう
中島は、高見を使い手帳を奪わせた しかし高見は欲をかいた 中島を強請った 川西は恐ろしくなった 川西の動揺を知った中島は川西も殺した 手帳を焼くために放火もした 最後は啓子を殺そうとした
《感想》何故、啓子が十津川に手帳を渡そうとするのを、高見或いは中島が事前に知ることができたのかは謎である