浅見光彦シリーズ35 歌枕殺人事件 2009 フジTV 原作:内田康夫 | moris11のブログ

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2015.12.10改訂

■“白浪松山を越ゆ”、手帳に書いて血を吐く男 2006年7月2日


2009年1月、浅見宅、光彦(中村俊介)の従妹 奈美(和泉妃夏)が、友人のかるたクイーン 朝倉理絵(野波麻帆)を連れてきた 雪江(野際陽子)が詠み、光彦と理絵が競う 光彦も強い クイーンが負けた お手付きが痛かった 清原元輔の歌、“ちぎりきな かたみに袖をしぼりつつ 末の松山 波こさじとは”


理絵の父親 朝倉義昭(伊藤延広)は3年前、宮城県多賀城市の末の松山で殺された そのトラウマが原因のようだ、と奈美は言う
半年後、奈美の勧めで理絵が光彦を頼ってきた 警察では門前払いされるばかり、殺された理由もわからない 父親は市役所勤め、短歌が趣味、歌枕が好きだった


光彦と理絵は多賀城市に向かう 遺体が発見された場所、末の松山、松の木の下だった 証拠は見つからなかった ただ、手帳に、“白浪松山を越ゆ”、と書いてあった


二人は多賀城署刑事課を訪ねる 横山課長(出光元)と千田刑事(中西良太)、理絵は手帳を見せて欲しい、というが相手にされない 理絵が、光彦の兄のことを口走ると、態度が豹変する 警察庁刑事局長の浅見陽一郎(榎木孝明)の弟
 

3年前の7月3日、服毒死した死体が発見された 死亡推定時刻は前日の19時頃 動機がさっぱりわからない 所持品は財布、腕時計、手帳
手帳には血痕が付着、朝倉本人の吐血痕だった 犯行現場は特定できていない “父は、見た情景をスケッチのように書き留めていた”、と理絵 あり得ないことを文字にしたわけは
 

この事件を追っているのは千田一人だった
光彦と理絵は、事件当日の義昭の足跡を辿ることとした
国営みちのく杜の湖畔公園、ふるさと村、民俗資料館 釜房の家
義昭は、市役所で郷土史の編纂をしていた
ここで、国文学教授の窪村孝義教授(津嘉山正種)一行に出会う
教授は短歌、歌枕の研究者だった 光彦は、教授に歌枕とは何ぞや、の教えを乞う 助手の秋山(吉満涼太)は非礼を咎めるが、教授は応じる “末の松山は一級品の歌枕”、と教授 歌の意味については助手の浜田(川崎麻世)が説明する
 

次に訪れたのは青根温泉湯元不忘閣、430年の歴史、青根御殿の女将(竹下江里子)に話を聞き、近くで、10年以上前、歌枕巡りの女性が殺された事件があったことを知る ここから30km山に入ったところにある有耶無耶の関で


千田と大河原東署の矢島(ミョンジュ)がやってきた 千田は矢島に事件の説明を求める 

12年前、平成9年8月13日、野森恒子26歳が絞殺された 暴行目的、遺留指紋があった
矢島は、何故素人に説明するのか、怒りをあらわにする その後、多賀城署には大河原署から抗議があった
 

光彦は東京の野森宅を訪ね、母親の芳江(上岡紘子)に会う 5泊6日の予定で旅に出、勿来の関から投函された絵葉書が残っていた
本棚には、窪村教授の著作、「みちのく文学の歴史と変貌」があった
恒子は教授を尊敬し、短歌を見てもらっていたと言う
 

光彦は警察庁を訪ね、陽一郎に事件の概要を説明する
二つの事件の関連性、殺害方法は異なるが、歌枕の地であること、短歌の愛好家であること
 

光彦の母 雪江(野際陽子)が光彦に教える 末の松山は4つある
多賀城、石巻市須江、岩手県二戸市浪打峠、福島県いわき市勿来の関 絵葉書の地だった いわき市にある奥州三関、白河の関、鼠ヶ関、勿来の関 勿来の関に、理絵と千田を呼ぶ光彦 第四の末の松山、ここなら越える


光彦は、秋保温泉にいる窪村教授を訪ねる 窪村は恒子のことを知らないと言う 教授は嘘を吐いている
理絵は、父の日記を調べ、事件当日、窪村教授の講演会に参加予定だったことを知る 場所は川崎町の研修センター
千田の調べでは、講演会は14-16時、奥の細道と歌枕がテーマだった 末の松山が取り上げられていた
 

光彦は、千田を連れて窪村教授を訪ね、警察手帳を見せる 指紋を採取した しかし遺留指紋とは一致しなかった 管轄外の事件で容疑者扱いされた窪村が警察に抗議、千田は謹慎処分を受ける 教授にはアリバイもあった
 

窪村教授の恩師は、助手の浜田の父親だった
学内の噂では、窪村は二人の助手、秋山と浜田、2年後輩の浜田を准教授にしようとしている 第四の末の松山発見の功績も浜田に譲ろうとしている 何故教授は浜田を優遇するのか 浜田が撮影したビデオ、第四の末の松山、秋山からビデオを借りる


“白浪松山を越ゆ”、朝倉義昭はこのビデオを見て手帳に書いたようだ
浜田の父は暴君だった 内弟子だった窪村は、浜田の妻を支えた 心の支えがいつしか、同情が愛情に


大学に浜田を訪ねる光彦、女性に呼び出されて出かけたと言う
理絵も出かけた 秋保に向かった 光彦は教授に迫る 理絵が命懸けで真相を追っている


教授は覚悟する 秋保に別荘がある 浜田も利用している 息子であることも認める


無鉄砲な理絵、絞殺されようとするところに光彦と教授が間に合った


《まとめ》12年前、恒子の歌枕の地訪問の案内役を買って出た浜田、有耶無耶の関で関係を迫るが断られ殺してしまう 逃げる途中、出会ったのが朝倉義昭だった 有耶無耶の関の場所を聞かれた 3年前、教授の講演会にやってきた朝倉を見て浜田は怯えた 思い出すのではないか 浜田は、白浪が松山を越えるビデオを餌に誘い出し、毒殺した 窪村は、息子の犯罪に向き合い、二人で自殺する
千田は、事件を解決することの残酷さを実感する 理絵は、光彦への恋心が報われないことを知り、かるたクイーンを目指す

いつまでもニヒルな光彦であった

 

《参考》シリーズのリスト