十津川警部シリーズ29 松山・道後 十七文字の殺人 2003 TBS 原作:西村京太郎 | moris11のブログ

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2015.12.10改訂

■三月、雨、松山観光港 女が浮かんでいる


六月、瀬戸大橋から松山、ちんちん電車で松山城へ 亀井刑事(伊東四朗)が松山俳句祭で特別賞を受賞し、表彰式へ 「子殺しの 母にも涙 春遍路」 式後、道後温泉で、松山市職員の今木健(伊藤正之)から相談を受ける “気になる俳句があるので見て欲しい”
「疲れ果て 花冷えの朝 訃報聞く」    東京・乙女
「春風に 血の匂いを嗅ぎし 二十歳の時」 東京・青二才
「十六夜に 二人が死ぬを 見たいと思う」 東京・小町
一句目は三月、二三句目は五月に投稿されている
三句とも東京、殺人の予告ではないか 亀井は警視庁に持ち帰り調べることを約束する


【警視庁捜査一課】
十津川警部(渡瀬恒彦)、亀井(伊東四朗)、西本(堤大二郎)、小西(中西良太)、村川(古川りか)、山下(山田アキラ)、安原(山村紅葉)、本多課長(小野ヤスシ)


三月四月に東京、松山で発生した事件・事故を調査し、二件をピックアップした
一件目は、三月、松山観光港で溺死した女子大生 鹿島さとみ(棚橋幸代) 22歳 事故死扱い 朝旅館を出て、翌朝溺死体となって発見された
二件目は、朝の散歩中に行方不明となり、奥多摩山中で遺体が発見された大学教授 山下俊吾(石濱朗)、これも事故死として扱われている


《山下のプロフィール》大学教授、物理学、地震研究者 俳句が趣味で俳号は“なまず” 同人誌の会員 妻は保子(とよた真帆)、資産19億円


十津川は保子、亀井は大学助教授 関根(小宮孝泰)を訪ねる


保子は、事故死と判定した警察に不信感を持っているようだ 或いはそう思わせようとしている 保子にはアリバイがあった


関根は化学専攻なのに教授の山下は物理、人間科学部か “先生は人格者だった”という


同人誌の事務局長 久保田(森下哲夫)の話を聞く その後、同人誌を辞めた喫茶店主 川村(綾田俊樹)の話を聞く十津川、“久保田が事務局長になってから、財界人が箔をつけるための俳句になってしまった サラ金社長の笠原(萩原流行)などは、句を買って句集を発行し受賞したとの噂がある” 笠原は、松山俳句祭の審査員だった
山下は、金にまみれた同人誌を元に戻そうとしていたようだ


山下宅に強盗が入る 関根談、“奥さんの芝居ではないか、夫殺しの疑惑を晴らすための” 十津川は病院へ、笠原とすれ違う


【保子の話】14時頃、下で物音がし、ひとの気配がしたので驚き、階段から転げ落ちた 110番通報後、関根に連絡した
保子の元へ花束が届けられる、切り取り文字の脅迫状とともに


亀井が、審査員に対する受賞の御礼と称して笠原に会いに行く 三人の美女に身体を揉ませていた 笠原は亀井を、同人誌創刊二十周年と山下先生をしのぶ会に招待する 笠原は、山下の死について問われ、“営利誘拐され、逃げる途中転落死したのではないか”と応える 亀井の笠原に対する心証は黒だった


《十津川、亀井の仮説》山下と鹿島さとみを殺した保子と笠原を、九月の“しのぶ会”で殺そうとしている学生二人がいる


刑事部長の三上(小野武彦)は、事故死と判定した事件の再捜査は出来ない、という


【山下を慕っていた六人の学生】向井朝香(森脇英理子)、野田公一(神原聖)、関真一郎(土屋裕一)、大石翔(福田賢二)、安岡麻美(須藤温子)、マルヤマカオル


動機、アリバイ、事情聴取した結果等から、怪しいのは向井朝香と安岡麻美 二人が不審な行動に出たら身柄を拘束することとする


笠原と保子がレストランで親しげに食事、笠原の秘書 庄司(鈴木省吾)が近くでガードしている 小西刑事は秘書が櫛で髪を直すのを見て顔をしかめる


学生六名が、“しのぶ会”に、関根助教授の手伝いとして参加することになった 亀井は、村川刑事を姪として同行させる


会場は屋外、笠原を警護する数名の男、監視カメラなど警戒していることがわかる 会が始まり、笠原と保子が挨拶する


保子の着物にシャンパンがかかり、保子は麻美を叱責する 保子は一度退場し濡れた着物の処置後再登場する 麻美が保子の傍にグラスを置く 関根が保子のところに挨拶に来て、グラスを手に取り飲んでしまう “あっ、それは”と保子、関根は苦しみ倒れる


青酸性毒物だった 目黒中央署の土井(伊藤洋三郎)らが現場へ 設置されていた監視カメラの録画を調べ、麻美と朝香が話している内容を、読唇術のプロに解析させる


麻美は犯行を否定する 目薬を入れたら面白いかもしれない、などとは二人で話していたが入れなかった


《十津川の推理》保子を殺そうとしたが誤って関根を殺してしまったのだろうか そうであれば犯人は動揺するはずだが、そのような気配が認められない 標的は笠原と関根だったのではないか


関根の行動を詳細に調べることにし、亀井は松山へ 鹿島さとみの事件を担当した松山中央署 先崎(小林すすむ)に話を聞く


“他殺の決め手がなかったので事故死として扱った 死亡推定時刻は20-21時、カメラが海底にあったので、撮影中に転落したものとみている”

“三脚はあったのか”と亀井 “暗い時間帯、撮影には三脚が必要だろう”


さとみが泊まった旅館の仲居の話、“俳句祭の窓口を聞かれた
市職員 今木、“笠原のホテルを聞かれ教えた”
ホテルフロントの証言により、関根が笠原を訪ね、ぺこぺこしていたとの証言を得る


小西、山下両刑事らは、奥多摩の山下の遺体があった現場で櫛を見つけ、笠原の秘書 庄司の指紋が検出される
標的は笠原と関根だったようだ


保子が、「道後みち いずこへ帰るか 秋つばめ」の句を残して消える 笠原も消える その後、関根がギャンブルで作った借金一千万円を笠原が肩代わりしていたことがわかる


《まとめ》関根は、山下が学長になれば自分が教授になれると思い、へつらっていたが、山下は上昇志向がなく邪魔になった 笠原は、鹿島さとみが不正を公表しようとしていることを知った 関根にさとみを殺させ、秘書の庄司と関根に山下を殺させた 保子は学生二人の手を借り、保子が手を下して関根を殺し、最後は、笠原を松山に誘って殺そうとした 思いがかなった笠原は誘いに喜んで乗ってくる 睡眠薬入りのビールを飲まされ朦朧となった萩原、屋上から突き落とされようとするが、


《感想》朦朧としているのに、手指10本のみで全体重を支え頑張る笠原 十津川が保子を説得する間もぶら下がっている 睡眠薬はどうなった 笑ってしまった

《参考》シリーズのリスト

 

2021.06.11 配役名で書き換えた