市指定 昭和61年3月8日

牧之郷90-2

 牧之郷沖の原に6基の五輪塔が伊豆箱根鉄道の沿線沿いにある。この五輪塔は狩野川台風によって流され、散乱したものを里人がここに集め、流失部分を補完して祀ったものである。これ以前にも何度となく、洪水にあったのであろう。

岐阜県旧岩村町(現恵那市)との姉妹都市提携後、墓は「地輪」石を補充している。

 

地元では「五輪さん」と呼び、加藤景廉一族の墓と伝えている。昔、この付近に金剛寺があり、幕末に景廉の孫である善願上人の舎利瓶が発見されている。

 

加藤景廉は、源為朝征伐に参加、源頼朝の挙兵に山木判官平兼隆を討ち、源氏3代に仕え、源実朝の暗殺時には警備の最高責任者であった。実朝の死後出家し、覚蓮房妙法と号した。牧之郷の地頭職に補せられ、承久3年(1221)8月3日没した。(伊豆市教育委員会発行:伊豆市の文化財より)