国指定・重要文化財

湯ケ島字桐山(伊豆市と河津町の境)

明治38年(1905)開通の「天城山隧道」はそれ以前の長いあいだ、陸の孤島として主に海路を頼るしかなかった南伊豆の交通路に、一大変革をもたらし、あの難所の天城越えの解消に重要な役割を果たした。

天城山隧道(北側、伊豆市側)

 

 

 

以来、この隧道は、川端康成「伊豆の踊り子」、井上靖「しろばんば」などの文学作品や、演歌「天城越え」などに唄われ、今なお全国の多くの人々が訪れ、文学・歴史の道として、旅情を誘い続けている。

公共の施設で知名度が高く、ロマンに満ち、人々の心の琴線にふれるものとしては希であろう。

それは、土木構造物としては、明治初期を代表する石造りの道路隧道であり、全長445mの規模は、全国的にも最大級である。機能に徹し、不要な装飾はないが、完成度は高く

、精緻にして雄大な坑道内部は、感動的ですらある。

天城山隧道(南側、河津町側)

 

 

抗門、隧道内壁などの構造物全体が、建設当時の原型を保全しているため、「切り石巻工法」などの石材加工に発揮された精巧な技術を検証し、継承することのできる、極めて重要かつ希少な歴史的構造物である。

(伊豆市教育委員会発行、伊豆市の文化財より)

 

6月25日に行ってきました、R414から「踊り子歩道」に入って2kmくらいだと思いますが、これが北側は舗装してなくて、バラス道、ところどころ穴も空いていて、落石も多いところです、南側は寒天橋まで簡易舗装がしてあるので、遠回りして南から行きました。

寒天橋

 

ここから八丁池入口までマイカー禁止で週何回かバスが通っています。

 

1905年に隧道が完成したのですが、小生の亡き母が生まれた年、119年前にこのような技術があったのは感慨深いことと思いました。

伊豆市における国指定の文化財は少ないです、他には上白岩遺跡、修繕寺の大日如来坐像、落合楼及新井旅館の建築物くらいです。