5日にレピドサイクリナ・伊豆市資料館・万城の滝などを見学した帰りに寄ってみました。広い境内の端にお堂は立っていました。

お堂には鍵が掛かっていて、外から写真を撮ったがうまくとれなかった、帰って「伊豆市の文化財」を見たら、指定はされていないが、彫刻の部に載っていた。

 

失礼して撮った内部

 

この百体観音は、関野の福聚院にある観音堂(正方形の一辺5.5mの草葺のお堂であったが、平成17年に銅板に葺き替えられた)に納められている。

堂内には台座が設けられ、お釈迦様を中心に百体の木彫りの金箔塗りの像が安置されている。福聚院に残る古文書によると、今から約250年前の宝暦8年(1758)に時の住職第八世禮厳和尚が建立し安置されたものという。

 

観音堂の外観

 

観音様は聖観世音菩薩と呼ぶのが正式名であり、「現世の人々の救いを求める声(音)を聞くと自由自在に現れ、これを救済する」というありがたい仏様であり、平安時代には既に観音様の安置されている寺々を回り、苦しみ悩みを訴えて救いを求め巡礼することが流行し、この風潮が西国三十三ヶ所巡りの信仰となった。

後に西國だけでなく、坂東・秩父の巡礼を生み、併せて百態観音巡りとなった。

 

貧しく多忙である信者のために、この百体観音を一堂に集め礼拝することにより、一度に百ヶ所お参りするのと同じ功徳が受けられるという考えにより建てられた。

現在も毎月17日に信者たちにより念仏が続けられている。大祭は8月10日。

(伊豆市教育委員会発行、伊豆市の文化財より)

 

なお「関野の百態観音」で検索すると保存会制作の動画などが見られます。