男女の需要供給曲線等による婚姻市場に関する考察 | norioのブログ

norioのブログ

ブログの説明を入力します。

日本経済停滞の構造的原因となっている少子高齢化が進む中、個人的には婚姻率の低下という問題を非常に危惧している。

その問題はネットでも非常にホットなトピックで有り続けており、様々なアンケートや調査が行われてきた。特に結婚相手に求める条件についての調査は、多くの男女が興味を持つ分野でありグーグル先生に尋ねれば幾らでも回答が出てくる。

そのような中でわざわざ今回ネットによるアンケート調査を行ったのは、僕が婚姻率の低下の大きな要因は、結婚相手候補を探す際に、自分のマーケットバリューに合った条件をはるかに超える条件をパートナーに望んでいる事にあるのではないか、という仮説を持っており、その仮説を証明することにより、自分には存在し得ない白馬の王子様、シンデレラを探す事を止め、多くの人に現実的なパートナーを見つけ、婚姻関係を結び、一人でも多くの子供を日本の未来に残す目的の為である。

念の為ここで述べると、今回の調査では、価値観が合う事、性格が合う事、という様な数値化しにくい点に関しては対象外としているが、その二点が婚姻に至り良い家庭を築く為の必要条件であることは言うまでも無い(下記読売オンラインによる調査を参照)。今回の調査は、その二点を判断するステップに進む為の十分条件となる所謂「スペック」が適切に設定されているかの調査である。

●男女がパートナーに求めるもの

norioのブログ

今回の分析方法は下記の通りである。
①ツイッターユーザーを中心にネットにより回答を募り、アンケート調査(男女別の単数回答)で、『自分のスペック』と『結婚相手に求めるスペック』を調査。本ブログ執筆時現時点のサンプル数は男性の回答134、女性の回答者74である。
アンケート結果の内容は下記を参照されたい。
『結婚相手に求める条件に関するアンケート』
●(男性版)⇒ http://enq-maker.com/blQDx9P
●(女性版)⇒ http://enq-maker.com/9qEDKH8

②今回は主にツイッターによりアンケートを募っており、当初から回答に偏りが出る事が予想された為、回答者の求めるスペックが平均的な男女が求めるものとは異なっている事を考慮し、より広範な男女から回答を得ていると思われる男女が結婚相手に求める条件に関する調査(http://www.yomiuri.co.jp/otona/partner/konkatsu/img/konkatsu100621_02.jpg)を参考にし、各スペックの重要度に応じて加重(注1)を定め、各サンプルの『自分のスペック』『結婚相手に求めるスペック』に関する回答により各サンプルの結婚力、自分が求めるパートナーの結婚力として5段階に数値化、加重を考慮して結婚力を集計した。尚、対象となるスペックは3高と言われる高学歴、高年収、高身長の他、近年増加傾向にあると筆者が考える外見に関するもの他、当然重要と思われる年齢も調査対象スペックに追加した。

(注1)
男女が求める条件の比重に関しては上記調査より
●男性が求める条件(スペック)
外見(38.0%)、年齢(22.8%)、年収(3.2%)、学歴(2.4%)
●女性が求める条件(スペック)
年収(40.8%)、外見(12.4%)、年齢(6.8%)、学歴(2.4%)
男性は外見の他、年齢が非常に重要、女性に関しては年収、外見が重要であるが、3高の内、学歴が思いの他重要視されていない事がうかがえる。この条件の割合に応じて、各回答の重要性に加重をかけている。(男性はイケメン度の他、身長も考慮して外見とみなしている)
③各サンプルの男女が、自分の結婚競争力に応じた条件を相手に求めているかを分析

結果概要

norioのブログ

上の二つの図を見てほしい。左の『女性の視点』のグラフは横軸を女性のサンプルの回答により判断される各サンプルの結婚力を、縦軸を同じ女性のサンプルが回答した各サンプルが男性に求める結婚力とし、その関係をプロットしたものである。右の『男性の視点』のグラフも同様で、男性の結婚力と女性に求める結婚力の関係をプロットしてある。上記正方形のグラフの左下と右上の対角線を結んだ線が「適正水準線」であり、その水準を下回るサンプルは結婚相手を簡単に見つけられる可能性が高い。

上記の左の図、『女性の視点』の図を見ると、比較的多くの女性は自分の結婚力に見合ったレベルの結婚力を男性に求めている事が分かる。これは男性が求める若くて美しい女性は高収入イケメンを求めていると言いかえる事ができ、危険水準のサンプルが散見されるものの、概ね自分の価値と求める価値が比例している。

一方で、上記右の図、『男性の視点』の図を見ると、多くの男性は自分の結婚力を大幅に超えた結婚力を女性に求めている事が分かる、これによって多くの男性が自分の結婚力が低いのにも関わらず、自分の結婚力に見合わないレベルの結婚力を女性に求めている状況が見て取れる。特に同図の左上のゾーンのDead Zoneにポジショニングされる男子に春が訪れる可能性が殆どない事態が危惧される。

では、これは男性が単に高望みなだけなのであろうか。実はそうとは言い切れない。というのは上記の二つの図の横軸である各サンプルの結婚力は女性のサンプルに関しては男性の視点で、男性のサンプルに関しては女性の視点で点数を付けられたものであるからである。要は、女性の判断基準の内、重要度が高い「年収」と「外見」において女性の評価が低い男性が多いと思われる。

そこで下記の図を見てほしい。下記の図は各サンプルの自身の結婚力と各サンプルが求める結婚力に関して、結婚力が合計2以下のDクラスから4以上のAクラス(最低1、最高5)までに分けた上で、各クラス毎にサンプル数を集計したものである。例えば左の『男性のディマンドカーブ、女性のサプライカーブ』においては、男性の各サンプルが要求した条件がどのクラスに該当するかで各クラスに分類・サンプル数を集計しディマンドカーブを作成、女性のサプライカーブは女性の各サンプルの自分のスペックに関する回答により各クラスに分類・サンプル数を集計し、作成したものである。尚、男性、女性のサンプル数は異なる為、A~Dクラスの合計が100になる様に調整している。

norioのブログ

左の『男性のディマンドカーブ・女性のサプライカーブ』から読み取れる様に、クラスによって需給が一致しない部分が有るものの、その形が一致しており、男性が多少の妥協をすれば、自分が許容できる女性にめぐりあう可能性は高いと言える。この理由は男性の求める条件が比較的出現頻度が高い、『若い事』、『美人である事』に偏っているからである。ちなみに後に述べる様に女性の自己の美に対する評価は総じて甘く、上記の女性のサプライカーブはその甘い評価がかなり反映されている為、実際男性から見た女性のサプライカーブは左にシフトし、殆ど男性のディマンドカーブに一致すると思われる。

一方、右の『女性のディマンドカーブ、男性のサプライカーブ』によれば男性の供給はDクラスからAクラスにかけて供給が減少するのに対して、女性のディマンドカーブにおいて特にDクラスへの需要が極端に少ない事、また、B,Aクラスに関していうと、男性の過少供給が目立つ。この理由としては女性が求める条件の中で男性の結婚力に対する貢献度が最も高い条件が男性の収入であり、比較的高収入男性の出現頻度が低い為である。

男女の視点に関する一つ目の二つのグラフでは女性は自分のスペックに比例して男性に求める条件を高めている事は確かだったが、問題はその条件を満たす男性が少ない事が女性のディマンドカーブ、男性のサプライカーブで明らかになった。これが女性の視点から見たサンプル男性の結婚力の低下につながり、男性のDead Zoneにプロットされるサンプルを増やしていた。ディマンド、サプライカーブ分析によれば、男性の求める条件を満たす女性は十分に居ると思われるが、女性の要求する条件を満たす男性が少なく、結果良く聞かれる『イイ女は沢山いるのに紹介出来る男が居ない』という事象が起こっているのである。

ではソリューションとしてはどのような事が考えられるのか。いくつかデータから見てとれる男女の特徴により指摘させていただきたい。

①第一に外見に関するアンケートをご参照されたい

●男性が思う自分のイケメン度
norioのブログ-男性イケメン(大)

●女性が思う自分の美女度
norioのブログ-女性美女(大)

このアンケートの質問では、上位20%ずつに区切り回答を求めているにも関わらず、男女ともに「普通」と答えたサンプルが多かった。特に男性の「普通」と答えたサンプルの中には客観的により上位のクラスに含まれる男性が多いと思われる。その他に特徴として見られるのが、女性の美女、かなり美女の多さである。要は女性の自分の美の評価は実際よりも大分上にずれている訳である。この点が女性が存在しない王子様を求めて高望みする理由となっている可能性が高く、女性にはこの点を心の中で修正して頂き、ご友人にも「カワイイ!!」等という社交辞令を止め、適切な評価を下して頂くことにより婚活イリュージョンの被害者を防ぐ努力をしていただきたい。

②第二に年齢によるパートナーに求める条件の変化である

●女性の年齢による男性に求める結婚力
norioのブログ

上記アンケート結果によれば女性が男性に要求する結婚力は10代からから35歳にかけて着実に低下し、バブルの遺産を抱えた35歳以上の女性になると再度上昇することが分かる。これは男性が求める条件の内「年齢」の重要度が高い為、これに応じて女性も男性に要求する結婚力を年を経る毎に低下させるからである。

これにより、結婚力が無く若い女性と結婚出来そうにない男性は迷わず30~35歳の女性にターゲットをシフトする事により確実に結婚可能性が高まると言える。一方35歳以上の女性に対しては、そろそろバブルの幻想を捨てる勇気を持つ事をお勧めする。

③最後に学歴に関する特徴である

●女性の学歴別パートナーに求める結婚力
norioのブログ-学歴別女性が求める(大)

●男性の学歴別パートナーに求める結婚力
norioのブログ-学歴別男性が求める(大)

上記の様に学歴とパートナーに求める結婚力の高さには高い相関関係が有る事が分かる。第一に指摘したいのは、冒頭のYomiuri Onlineの調査からは学歴の重要度はかなり低く、高学歴だからといって、イイ女、男をゲットできる訳ではない。第二に、男性の「一人前の大卒(March辺り+無名海外大学)」と「少し頑張った大卒(早慶上智旧帝大、同レベルの海外大学)」の方々である、注目すべきは、「エリート(東大・京大・それと並ぶ海外大学)」が求める女性の結婚力が上記2つのランクの方々と同じかそれ以下である事である為、高望みしているとエリートに持っていかれて結婚のチャンスを逃す可能性が高い事である。


まとめ

上記調査により、男性にとっては女性の厳しい要求スペックにより、女性が判断する結婚度に見合わない女性を望んでしまう結果に陥っているものの、男性自身の要求に見合った女性は十分に居ると思われる事が分かった。特に男性は若干年齢の最低ラインを上げる事で、より容易に結婚する事が出来る。女性にとっては、女性が求める条件の内最も加重が高い収入、2番目に大事な外見の面では、全員の女性が求めるレベルの収入、外見を持つ男性とめぐり合い、結婚出来る可能性は無い。アドバイスとしては、男女ともに現在求めるスペックが本当に大切かを見直す為に、結婚相手のスペックに関して棚卸し、他の視点で男性を探す事を考えるべきである。収入が高い男性の中には結婚相手としては内面的に問題が有る人(特に年収が高い人に多く見られる肉食系の特性とオラオラ系の性質)が多い(ゴメンナサイ)様に思われる。最初はそう見えなくても、引く手数多の男性には色々なムシが寄ってきて、女性が年を重ねた頃にソレがくるものである。自分には存在しない白馬の王子を求めるよりも、一生一緒に居るパートナーとして男性を見るようにしてはどうだろうか。(オナシャス)